悪魔も喘ぐ夜
*
「じゃあ…舐めるだけ。
いいよね?」
なにが“じゃあ”なのかわからない。
“待って”と声をかけたが、今日の麗は
引かなかった。
ズボンごと下着をずり下ろしにかかる。
上手く脱がせなかったのか、中途半端に
ずれた衣服の中からまだ反応もしていない
俺のものを麗の手が取り出した。
しかし、麗に脱がされそうになって反射
的に尻の筋肉が締まった俺はその“異変”
に気づいてしまった。
兄貴の奴…ッ!
故意なのか、体力的な問題だったのかは
わからないけれども…。
まだ体内に残っている“兄貴のもの”に
は舌打ちするしかない。
麗が自分の不在中にこういう行為に及ぶ
であろうことを予測して残したんだとした
ら、相当腹黒いのではないだろうか。
やっぱり先にシャワーを浴びるんだった
と、投げやりになって流された自分の不甲
斐なさを叱咤する。
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