悪魔も喘ぐ夜
*
二人を区別せず、差をつけずに接しろと
いうなら、片方の欲求を受け入れてしまっ
た以上はどちらの倒錯的な欲求も受け入れ
なければそれは明らかな“差”だ。
…拒絶できるものなら、最初から拒絶で
きていたのだ。
もう考えるのも億劫で、突起を舐め擽る
麗の舌に吐息を零した。
細い針で刺すような痛みギリギリの快楽
をもたらす兄貴とは違う、羽根でくすぐる
ような麗の愛撫に体が安心して弛緩してい
く。
「お兄ちゃん、気持ちいい?」
「ん…」
だからいつもの延長であるその戯れに気
持ちいいと頷いた。
麗の表情が綻んで、体を起こした麗の唇
が再び触れてくる。
麗は本当にキスが好きだな…。
ぼんやりとそんなことを思っていたら、
股間に麗の掌が触れた。
「麗、そこは…」
「ダメ、なの…?」
麗の表情が曇る。
兄貴と区別するのか、とその視線が無言
で訴える。
だから違うと首を振った。
「そこは…もう、無理だから…」
自分から昨日の情事を教えるようで耳が
赤くなる。
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