悪魔も喘ぐ夜
*
「少しでも逃げようとしたり抵抗したらペ
ナルティーで1分追加です」
「そんなっ」
「3分しかないんですよ?」
妨害されたらそれだけで終わってしまい
ます。
それに逃げたり抵抗しなければ時間は伸
びません。
当初の通り3分のまま。
だから駆は当初のルール通り逃げたり抵
抗したりしなければいい。
問題ないですよね?」
「っ………」
不安が胸を過ぎったが、そんな言い方を
されてしまえば嫌だとは言えない。
顔の横に時計が置かれた。
首だけ捻れば時間が確認できる位置に。
「あと15秒…。
準備はいいですね?」
兄貴に好き勝手されるのは不安だったけ
れど腹をくくるしかない。
頷くと再び兄貴の目が秒針を映す。
「あと10秒」
心臓の音がうるさい。
何か別のことを考えて意識をそらさない
と…。
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