悪魔も喘ぐ夜
*
「…乳首、赤くなってますね。
弄らせたんですか」
心臓が…飛び出すかと思った。
カッと一気に耳の端まで熱が走る。
まるで覗き見でもされた気分になって思
わず腕で隠した。
「か、関係ないだろっ!」
「やれやれ…。
麗が急に色気づいた原因はそれですか。
弄られて気持ちよかったんですか?」
「っるさい!
やるなら、さっさとやれ!」
わざと大きな声を出すと兄貴は笑いなが
ら置き時計を引き寄せた。
俺はと言えば情事の跡を垣間見られたよ
うで身の置き所がない。
麗の拙い舌に繰り返し嬲られ、焦らされ
るような中途半端さで蜜を零していたこと
を思い出してしまう。
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