悪魔も喘ぐ夜
*
「…そこじゃやりにくいですよ。
こっちへ」
検分するような兄貴の視線が体に絡みつ
いて落ち着かない。
兄貴とは目を合わせないようにしながら
促されるままベッドの中央へと移動する。
…なんだろう。
自分から誘ってるんじゃないのに…。
あくまでも賭けなのに、全裸になってベ
ッドに寝転がるなんて、自分から食べてく
ださいって言っているような気分になって
くる。
いや、違う!
これは賭け。賭けだからだっ。
変な気分になりそうなのを振り払い、
麗の穏やかな日常の為だと拳を握る。
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