悪魔も喘ぐ夜
*
「いいでしょう。
じゃあ服を脱いでください。
3分かけて服を脱がれたら困りますか
ら」
何か言い返そうとしたが、やめた。
兄貴には口で勝てた例がない。
3分だけ…3分だけ…
頭の中で繰り返しながら着ていたパジャ
マを脱ぎ捨てた。
「全部ですよ?」
「わかってるよっ!」
本当は脱ぎたくなかったけれど、賭けに
乗ったからにはやるしかない。
トランクスをわざと乱暴に脱ぎ捨てると
ベッドまで歩いて行ってどかっとその端に
座った。
さぁやれと口をへの字に曲げて腕組みし
たが、精一杯の虚勢だ。
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