二人の恋愛日記♪
〈1〉
最近スザクがそわそわしている…
いや、そわそわというかあからさまにアピールするようになってきた。
会話中急に態度がよそよそしくなったり、自分の学生証を俺の目の前で落としてみたり、食事中いきなり
『納豆っておいしいよね!!』
とか言ってみたり、食べてもいないのに… 大体俺は構わないがお前は納豆の日でいいのか?
その他明らかに違和感のある言動がやたらと飛び出すようになった。
そんなに俺が信じられないのか?
忘れるわけないだろう?
もう何年一緒にいると思ってるんだ。去年も祝ってやっただろう。
そう、もうすぐアイツの誕生日。
まぁでもそうだな、付き合い出して初めての誕生日だし、俺だって何も考えていないわけじゃない。
どんな風に祝ってやろうかとか、プレゼントは何にしたらいいかとか、何をしてすごそうかとか、いろいろ考えてるんだ。
料理は全部俺が作るとして、ケーキは…
こちらも手作りにした方がアイツ喜ぶんじゃないかな…
ギリギリまで知らない不利をしていて、当日驚かすというのもいいかもしれない。きっと泣くだろうなぁ…アイツ…嬉しすぎて。
ふふっ泣きじゃくるスザクの姿が目に浮かぶ。
とにかく俺たちにとって思い出に残る特別な日にしたい。あぁすごく楽しみになってきた…
なのにお前ときたら…
「ルルーシュ!!」
「なんだ?そんなに意気込んで…」
「僕……もうすぐ誕生日なんだ!!」
「………」
なぜだ…
スザク…
「あっその顔…ルルーシュ!!やっぱり忘れてたんだね;思い出してもらおうとしてさりげなく頑張ったのに、全然気づいてくれないし…」
あれのどこがさりげなくなんだ?
あからさまにの間違いだろう?
「ルルーシュ…予定入れてたりしないよね?一緒にすごしてくれるよね?」
泣きそうな顔で訴えてくるのが面白い。俺の壮大な計画をぶち壊したはらいせに、ちょっとからかってやろうかな…
「さぁ…どうだったかな…手帳を見てみないと…」
「狽サんなっ、ルルーシュは僕の部屋に来てくれるだけでいいんだ!ケーキも僕が用意するし!プレゼントもいらないから……」
目にじわじわ涙を溜めて俯いてしまった。
「クスクス…冗談だよ、忘れるわけないだろう?そんな大事なこと。」
「ルルーシュ…」
今までで1番幸せな誕生日にしてやるから…
「何が食べたいか考えておけよ。」
「ルルーシュ作ってくれるの!?」
「あぁ。俺が作るんだ、残したりしたら許さないぞ。」
「そんなことするわけないよ!!僕唐揚げが食べたい!ヤッタァ☆早く誕生日にならないかなぁ///」
なんでだろうな…お前が喜んでくれるなら、俺はなんでもできる気がするんだ。
きっとこれが好きってことなんだろう…
こんな気持ち今まで知らなかった。
誰かの言動一つ一つに一喜一憂したりすることなかったし…
お前と付き合い出してから、幸せを感じることがすごく多くなったんだ。
スザクの笑顔が俺の原動力になってきている。
なにか悔しい気もするが、お前も同じ気持ちでいるなら許してやってもいいぞ?
「ねぇ!誕生日プレゼントは何くれるの?」
目をキラキラさせてルルーシュを見つめる。
「それは内緒だ…」
「ええぇぇ〜」
「分かってしまったら当日の喜びが半減するだろ?」
「そうかもしれないけど、気になるぅぅ!」
正直いうとまだ何にするか決めてないんだが、どんなものにすればいいのかわからなくて…
スザクは何が欲しいんだろう…
去年までは実用的なものをあげればそれでよかった。でも今年は違うから…
本人に直接聞くなんてヤボなことはしたくないし…
かといって気に入ってもらえないとな…
俺の気持ちが形として残るものがいいと思う…
いつも伝えられない気持ちをめぇいっぱい伝えたい…
「ルルーシュ、僕…ルルーシュがくれるモノならなんでも嬉しいからね♪楽しみにしてる!」
「あぁ分かった。」
スザクのやつうれしいことを言ってくれる…少し勇気がでた。
待っていてくれ、きっと最高の誕生日にしてみせるから!
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