僕と君の恋愛日記♪2
〈4〉
「ふぐっんんっむぐっぐ」
それでもスザクは必死にリヴァルに何か言おうとしている。
口を塞がれたままのスザクといきりたつリヴァルは、始終睨み合ったままだ。
どうしたんだ急に…
ルルーシュがこの場の対処法に困っていると、コソコソと噂話が聞こえてきた。
『昨日スザクくんとリヴァル食堂で大喧嘩したらしいよ。』
『えっ?なんで?そんなに仲悪かったっけ?なんかあったのかなぁ。』
『それがね、よくわからないの。喧嘩の理由は誰も教えてくれないのよ…』
そのコソコソ話を聞いたルルーシュは、今までスザクの口を塞いでいた手を放し、彼の腕を掴む。
「スザク、ちょっと…」
そう言うとルルーシュは掴んだ腕を引っ張り、屋上へと向かう。
スザクは捕まれた腕を嬉しそうに見つめながら、リヴァルに勝ち誇った表情をプレゼントし、彼に着いていった。
「ルルーシュ!!放課後だからなっ!!」
後ろの方で怒り狂ったリヴァルの叫び声が聞こえていた。
「スザク…お前、リヴァルに言ったのか?俺とのこと…」
屋上に着いたルルーシュは尋問を始める。
「うっごめんね…」
「はぁぁ……」
盛大にため息をつく。
否、もはや溜め息しかでない。
「でもねっリヴァルが悪いんだよ!?」
疲れた顔をするルルーシュに精一杯の言い訳をする。
「なぜリヴァルのせいなんだ?」
どおせウキウキしながら自分の世界に入ってる時に、話しかけられて、ポロっと喋ってしまったんだろう…
お前の行動なんて単純明快だ。
「それは……言えない……」
はぁ…
話しにならないな…
「男同士だし、俺はないが、偏見とか持ってる奴もいるから…あまり他言するな…これ以上誰かに言ったら別れるからな!」
「えっ!?そんな……わかった…ごめんね…」
しゅんっとなって下を向いて黙りコクる。
また耳を垂らして…
「まっまぁ分かればいいんだ…」
狙ってるのか?
俺はお前のそういう態度に弱いんだ…
「それだけだ…授業が始まる…戻るぞ…」
そういうとルルーシュはスザクの―今度は腕ではなく、手を握ってやった。
ちょっと叱りすぎたかもしれないから、これで機嫌直してくれ…
「ルルーシュ///てっ手いいの///?」
「サービスだ…屋上出るまでだからな…」
「うん///」
小さい頃以来久しぶりに繋いだルルーシュの手は、真っ白で、少し冷たくて、しっとりしていて、握ったら折れてしまうんじゃないかと思うくらいに凄く細かった…
はぁ…また放課後か…
リヴァルとの約束は放課後、今まで普通の友達同士だったスザクとリヴァルは一日中顔を合わせれば睨み合い、犬猿の仲という言葉がぴったりな程にいがみ合っていた。
面倒事は早く片付けてしまえばいいのに…
学校では2人と友達として接しているルルーシュとしては、やりにくいことこの上なかった。
昼食を一緒にとろうとスザクに誘われて着いて行けば、リヴァルが影から異様なオーラを放ち此方を見ているし、移動教室の時にリヴァルと一緒に行けば、その後スザクがご立腹だった。
はぁ…
疲れた……
今日1日で何回ため息をついただろう…
だいたい俺を挟んで喧嘩をするな。
やるなら違う所でやってくれ…俺は無関係だ。
まさか2人の喧嘩の原因が自分だなんてルルーシュは微塵も思っていなかった。
迎えた放課後…
「ルルーシュ!屋上に行くの?」
スザクが心配そうな面持ちで尋ねてくる。
「あぁ…リヴァルに行くと言ってしまったしな。さっきあいつも屋上に向かったようだし。」
話があるならここですればいいとは思うが、一度行くと言ってしまった手前、行かないわけにはいかないだろう。大体あいつはわざわざ屋上まで呼び出して俺に何のようだ。
「行く必要ないよ!!!!」
スザクが大声で怒鳴った。
なっなんでそんなに怒ってるんだ…ちょっと話すだけだろう…
スザクのあまりの必死ぶりに、少し怯んでしまう。
「そういう訳にはいかないだろう…あっちは待ってるんだ…」
「今日も一緒に帰るんだろ?すぐ戻るから待っててくれ…」
そういうとルルーシュは1人屋上へ向かった。
「ルルーシュ!!」
どうしよう…
リヴァル絶対ルルーシュに告白する気だ。 ルルーシュはもう僕のなのに!
でも…ルルーシュからちゃんと好きって言ってもらった訳じゃないし…もしかしたらリヴァルに靡いちゃうかもしれない…
うぅ……ルルーシュぅぅ……
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