Beautiful actress ☆
(6)
恥ずかしげもなく、褒めちぎる彼の言葉に堪えられなくなり、ルルーシュは俯いてしまう。
「綺麗だなんて……そんな…俺なんか……」
「えぇ!?もっと自信持ちなよ。そんな美貌があるんだから!!」
そっと顎を掬われ、上を向かされる。
「瞳の色も素敵だね。とっても魅力的だ///」
瞳を覗き込まれ、遂にはルルーシュの頬が紅を帯びていく。
「あっ!赤くなった。可愛い…」
可愛いなどと形容されればますます恥ずかしくなって、いたたまれない気持ちになった。
「挨拶が遅くなってしまった、俺はジノ。これからこちらこそ宜しくお願いします!この作品ではルルーシュ君の方が先輩だから、いろいろ教えてね♪」
「俺なんかでよければ…」
「ありがとう☆あっ俺のことはジノって呼んでね。」
「えっでも…」
「いいからいいから。その代わり俺もルルーシュって呼んでいい?」
屈託のない無邪気な笑顔。どこか幼い印象をうける。彼は子どものように汚れを知らない。
「はい…」
ルルーシュはほんの少し嬉しそうな、含羞んだような表情で小さく返事をした。
あぁそういう態度とっちゃうんだ…
ちょっと優しくされたぐらいで靡いて、ホント尻軽なんだから…
君はもう僕のものだって自覚してもらわないと困るなぁ。
がたっ
それまで様子を伺っていたスザクは、わざとらしく物音をたてて存在をアピールする。
今までジノに気をとられていて気づかなかったが、その音を聞き、ルルーシュは初めてこの部屋にもう1人いたことに気づく。
ス…ザク……
ルルーシュの顔から血の気がひいてゆく。
「おはようルルーシュ。」
スザクに呼びかけられたが、唇が震えて上手く返事ができない…
「あっお…は…よう……」
「スザク邪魔するなよぉ!今凄くいい雰囲気だったのにィ。」
ジノがプウッと頬を膨らませ、スザクへと振り返る。
「ごめんね。でもあんまりにも僕のこと無視するから…」
「あはは、ごめんごめん。」
「そろそろ撮影が始まる時間だよ?ジノとアーニャのシーンからだから、そろそろいかないと…」
スザクは自然にジノを退室させようと仕向ける。
「あっ!やばっ急がないと、じゃあ後でルルーシュ♪スザクも。」
オマケのように付け加え、急いでスタジオへ向かった。
カチっカチっ
一番賑やかな男の退出により静まり返った部屋の中に、ただ時計の針が動く音だけが響く。
「スザク……その…さっきのは……何でも…」
ルルーシュはスザクが何か勘違いしたんじゃないかと心配で、弁解を始めた。
「なんのこと?」
しかしスザクは何事もなかったかのように、何時もの人当たりの良い笑顔を見せる。
「あっ…いやっ…」
なんのことと聞かれ、言葉に詰まってしまう。
ジノと仲良くしたこととは言えなかった。
するとスザクは思いがけないことを口にする。
「ジノとも仲良くした方がいいよ。」
えっ……
「僕と同じように彼も共演者なんだから。おもしろい人だしきっと友達になれるよ。」
「あっ……そ…うだな…」
張り詰めていた空気が一気に緩む。
それと同時に心の中に何かもやもやしたものが渦巻いた…
俺はなんて言って欲しかった?
ジノと仲良くするなって言って欲しかった?
「どうしたのルルーシュ?」
ルルーシュに近づき、ジノが触ったのと同じところに触れる。
一応殺菌しとかないとね。
そのまま耳元に唇をよせ…
『身体…大丈夫?』
その言葉を聞いた途端、ルルーシュの頬が先程とは比べ物にならないくらい高潮する。
その頬に触れ、もう一方の空いている手で、スザクはルルーシュの腰を撫でた。
いやらしい手付きで。
昨晩の情事を呼び起こすように…
「…スザクっ///」
ギュッと目を瞑り、スザクの手に自分のものを重ねてその動きを静止させる。
「立ってるのがやっとみたいだね。撮影が終わったら、君の家でマッサージしてあげるから。1日頑張って…」
優しい言葉をかけ、頭を撫でてやる。
するとルルーシュはゆっくり潤んだ瞳を表にし、スザクに頬擦りをした。
ふふっホント優しさに弱いいよね…
優しくしてもらえるんなら誰でもいいんでしょ?
もっと僕だけに夢中になってよ。
「ほら僕たちもそろそろ出番だよ。行こうか。」
うっとりと身をまかせていたルルーシュを強引に引き剥がす。
あっ……もっとこうしていたい………
ぎゅって抱き締めて欲しい…
そそくさと部屋をでたスザクを追い、ルルーシュもスタジオへと向かった…
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