Beautiful actress ☆
(13)



ルルーシュ…
そんな風に僕を欲しがってくれるんだ…
嬉しいな…



僅かに開かれた扉の隙間からスザクはルルーシュの動向を見守っていた。



部屋からでていった後一度リビングへ戻り、少し時間を置いてからまたルルーシュの部屋の前まで来ていたのだ。



スザクはわざと部屋を出ていった。
ルルーシュが欲しいと心の中で叫んでいるのを知っていながら。敢えてその願いを聞き入れなかったのだ。



彼が自らを慰める姿が見たかった。ただの好奇心などではない。
どんな風に前を弄るのか。後ろの窄まりにも手を伸ばすだろうか。
誰の名前を呼びらながら自慰にふけるのか。
誰も知らないルルーシュの中を知り、確認したかった。



そして…


自慰という背徳心をかりたてる行為によって精神的な苦痛を得るルルーシュを見ていたかった。




堪らないな…
何時もそんな風に僕のことを求めてくれたなら、僕ももっと素直に君を愛せると思うんだけど…
クスクス、意地っ張りだからさ。ルルーシュは。



足りないんだよルルーシュ…
もっと魅せてよ、君の綺麗な表情を…



部屋の中からはルルーシュの甘い声が零れる。必死に堪えているつもりなのだろうが、抑えきれずにその嬌声はスザクの聴覚を刺激していた。



はぁ…そんな姿を見せられたら僕も我慢できないよ…


スザクは徐に自分のズボンの前を寛げる。
ジーンズのチャックを下ろし、トランクスの隙間から自らの昂りを取り出した。


耳に届く霰もない啼き声を聞き、彼が自身を慰める姿を傍観しながら壁に凭れかかりそそり立つ自身を激しく扱く。



ほらルルーシュ、もっとめぇいっぱい指を伸ばすんだよ。
君の感じるところはもっと奥にあるんだ。
教えてあげただろう?



はぁ…
ハァ…



荒くなる吐息はルルーシュのそれと呼応する。お互いを求め合うかのように、スザクの中心には熱が集まっていった。



『あっ…スザクっ…スザクっ!…好きっ…もっと…もっと!』



ハァ…ルルーシュ…
ぅっはぁ…もっと感じて…もっと僕を欲しがれ…



もっともっと、僕が君を欲しがるみたいに…



追い立てられる性感は絶頂を目指して走り出す。
ルルーシュの悦楽に浸る啼き声が高くなるのにつれて、スザクも大胆に自らの屹立を擦りあげた。


『あっハァっスザクっ!うっあっあっアアアぁぁぁ―――――』



うっルルーシュ!



唇を噛み締め、呻き声を抑える。まぁ今のルルーシュにはそんな小さな音など耳には入らないだろうが。


ルルーシュがベッドの上で性を吐き出すのとほぼ同時にスザクも絶頂へと駆け上がった。



手で尿道口を覆い、吐き出した粘着質な精液を受け止める。



はぁ…汚な…
手が汚れちゃった…



ズボンのポケットに入れておいたポケットティッシュを取り出し、ベトベトになった両手と性器を清める。


ルルーシュのものならば全て嘗めとってしまいたいと思うほど愛しく感じるのに、自分のものだとまず第一に汚いと感じてしまうのだから不思議なものだ。



手早く身仕舞いを正したスザクは、ルルーシュが部屋から出て来る前に速やかにリビングへと戻った。





****



リビングのソファに横になり天井を眺めるスザクの心はルルーシュと身体を繋いだ後よりも昂揚していた。


正直いうと、今日はジノと君がいけないことしちゃうんじゃないかって心配で気がきじゃなかったんだよ。

ふふっ行けって言ったのは僕なんだけど。



何もなくて何よりだ。



君は淫乱だからね。
僕が相手をしなかったら他の誰かに身体を慰めてもらうんじゃないかと思ったんだ。



まぁ君がジノを家に連れて帰って来なくてよかったよ。
もし、そうなっていたら僕は…
そうだな、ジノを殺したかもね。



ねぇルルーシュ。
僕を優しくさせるのも
狂わすのも


君次第なんだよ?





20分程してバスルームの扉が開く音がした。
真っ直ぐに自室へと向かっていた足音は一旦止まり、そして再び響き始めるとリビングの方へと近づいてくる。



それに気付いたスザクはゆっくりと目蓋を閉ざし、彼がやってくるのを待った。



ガチャっ



リビングの扉がゆっくりと開かれ、足音を消したルルーシュがヒタヒタと歩いてくる。
スザクが眠るソファへとゆっくり。



「スザク…」



スザクが眠っているのだと思い込んだルルーシュは、ソファの脇にしゃがみ込む。



左手でスザクの頬に触れ、自らの頬を彼のそれへと擦り寄せた。



「スザク…好き…スザクっ…」



ルルーシュの瞳からは涙がこぼれ落ちスザクの顔へと降り注ぐ。



睫毛を伏せたスザクへキスを落とした後、ルルーシュは自室へと戻っていった。



ルルーシュ…
今日こんなに君に求めてもらったのに、僕の心はまだ満たされないんだ…



もっと君を泣かせたい…
もっと君を壊したい…
苦痛で歪む表情が見たい…


別に君が憎いわけじゃない。でも、君が悲しそうな顔をする度に言いようもない充実感に浸れるんだ。



我ながら歪んでいる。
やっぱり僕ってSなのかな?



なら君はMだよね。
僕のこと好きなんでしょ?


お似合いだよ僕達は。
だからルルーシュ、君は僕だけを好きになればいいんだ。



ルルーシュの部屋の扉がガチャリと音をたてる。それを聞きとどけ、スザクもゆっくりと意識を手放していったのだった。














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あきゅろす。
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