little garden ☆
〈7〉




何度も何度も抱き合い求めあって愛を囁きあっても、ルルーシュの首筋に望むものの姿が現れることは無かった。




溢れだすのは恋慕の情
膨らむのは疑惑の念



互いが確かな気持ちを持ち合うが故に、その想いは急速に大きくなった。


自分は堪らなく相手を愛している。では何故?
行き着く答えはたった1つで…


信じたくない…
でも…



口火を切ったのはスザクだった…




「ルルーシュ?僕のこと…愛してる……よね?」


「…スザク……何で……当たり前だろ?……」



震える声
言いながら、滑らかなルルーシュの頬を一滴の涙が伝った。



それを見たスザクは我に返る。
何があっても疑ってはいけなかった。どんなに不安でも、どんなに苦しくても…

決して溝を作ってはならなかった。
目には見えないものだから、僕らが信じていなければそれは…



「ごめんルルーシュ!泣かないで!ごめん、僕達は愛し合ってる、ごめん……ごめん…」



抱きしめた身体はこんなにも近くにあるのに、感じた肌は冷たくて、熱く溶け合ったはずの心は再び境界線を引こうとしていた…





****




誰かに意見を仰ぐのが1番だと思った。



僕らはまだ若い、知らないことだっていっぱいあるはずだ。
年長者に聞けば何か教えてくれるかもしれない。



最後の望みをかけて訪れたのは、村切っての物知りで名高いロイド先生の所だった。



2人で手を繋ぎながら、徐に扉を叩く。



コンコン



間も無く扉が開かれ部屋の中に招き入れられた。



「こんにちは、スザクくん、ルルーシュくん。今日はどうしたのかなぁ?2人揃って。」



明るい声で問われ、ルルーシュは口を閉ざしてしまった。
多分ロイド先生だけじゃなく、ここに住む全てのものが僕とルルーシュが結ばれたことを知っている。
小さいコミュニティだから、どんな些細なことも筒抜けだ。祝福してくれようとしてるんだとその態度ですぐに分かった。


「あの…先生…にお聞きしたいことがあって…」


「何だい?何でも聞いてくれていいんだよ?」


「はい…」


「なぁに暗い顔してるの!幸せの絶頂なんだから、それらしい表情を浮かべたらどうなんだい。僕が独り身だからって気を使ってるのかな?」



幸せの絶頂



の筈だった…



またルルーシュの瞳が過剰な水分を得て輝きだす。





黙り込む僕達を見てロイド先生もまた、只ならぬ空気を読み取ったように声のトーンを下げた。


「何かあったんだね。言ってごらん…僕に出来ることがあるなら、力になるよ…」



僕は彼にありのままを話した。











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