little garden ☆
〈6〉





鳥が囀ずる声を聞き、スザクは目をさます。


清々しい朝
今日は快晴だった。

隣には愛しい人…
幸せそうに微笑んだスザクは、まだ寝息をたてるルルーシュの額にキスを落とす。


じっとルルーシュを見ていたスザクは、大切なことを思い出した。



2人の愛の証
愛し合う者達だけに与えられる永遠の絆…


スザクは息を呑み、ルルーシュの首筋にそっと手を伸ばした。


白い首を隠す艶やかな黒髪をはらいのける…




えっ…………



スザクはルルーシュの美しい肌を見て固まった…


あるはずの証はそこにはなく、左右どちらの首を見ても見当たらないのだ。


信じられなくて、それでも必死に探した…





ど…うして…
僕達は愛し合ってるんだ…
誰よりも…どんな2人よりも…
無いはずがないんだ…



寝ているルルーシュの肌をなぞり、何度も何度も探す…


ルルーシュも僕を愛してるって…
誓い合ったのに…



どんどん心が冷めきってゆく…
茫然とするスザク…

思考回路は乱され、何がなんだかわからなくなった…



じっと見つめていると、それまで規則的な寝息をたてていたルルーシュが小さく身じろぐ。






「……んっ……」




ゆっくりと瞼をあげ、ルルーシュが覚醒する。


「……スザク?……」


眠たそうに目をこすった後、スザクの姿を捉え、優しく微笑んだ。


「おはよう…スザク。」


1つになって迎えた初めての朝。
ルルーシュの心の中は幸福感で満たされていた。


しかしスザクの表情は、ルルーシュが予想していたものとはまったく異なったものだった。



「スザク?…どうしたんだ?」


問いかけながらルルーシュは右手で自らの首に触れようとする。

あるであろうものを確かめようとするように…



あっ…ダメだ…
見ちゃダメだ!



スザクは咄嗟に、触ろうとするルルーシュの手を押さえつけ、首元を手で覆った…



「聞いてルルーシュ!僕は君を愛してるよ!たまらなく愛してる!君じゃないと嫌だ。きっと…もう一度すれば、でるから……だから…」



急に取り乱すスザクを見て、ルルーシュは何のことか分からずに首を傾げる。


「どうしたんだ?お前の気持ちなんてずっと知ってる。俺だってお前を愛してるよ。昨日あんなに確かめあったじゃないか…」



後半恥ずかしそうに頬を赤く染めた。




それでもスザクはとても苦しそうな顔をして、ルルーシュを抱きしめる。


なんで今不安になるんだ?
俺たちはもう1つなのに…


そうだ!俺がお前を愛してるっていう証拠を見せてやる。
俺の中は、ずっと前からお前でいっぱいなんだ。



ルルーシュは自分の首を隠すスザクの手にふれ、そっとそれをどけた。



「スザク…ほら…俺はお前のものだ…」


「………」



スザクは目を背けたまま、此方を見ようとはしなかった…


スザク?……


不思議に思ったルルーシュは、自分の首をベッドの側にある机の上に置いてあった手鏡で確認する。






…な…い……?


状況が掴めず、ルルーシュはしばし固まった。


お互いの気持ちを疑うものなんて何もなかったから…
だから考えもしなかった…



「ルルーシュ!きっと何かの間違いだよ!もう一度愛し合えば、明日にはきっと……僕たちはこんなにも想いあってるんだ…だから!」


泣きそうな顔をするルルーシュを強く抱きしめ、何度も愛してると囁いた…











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あきゅろす。
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