お仕えします♪
【7】



「ル・ルーシュく〜ん♪」


明るい声を発し1人の女生徒がルルーシュに話しかけた。


彼女の名前はミレイ・アッシュフォード。生徒会の会長であり、この学園の理事長の娘だ。


「今日は一段とお疲れみたいねぇ☆」


「なんでそんなに嬉しそうなんですか…会長は…」


深いため息をつき、鬱陶しそうに答える。


「何でって、可愛いルルーシュくんがここに残ってくれたからに決まってるじゃなぁい♪」


うっきうきしながら彼女は続ける。


「だいたいくんはやめて下さい。くんは…」


「あらどうしてぇ?可愛いのに!」


「頼みますから、これ以上俺を疲れさせないで下さい…」


深いため息をつき、いつもの睡眠用ポーズをとる。


「今日はご機嫌斜めみたいね。わかった!可愛い妹に会えなくて寂しいんでしょ?」


そうだな…
それも大いにある。癒しがなくなって、疲労が溜まってきているのは確かだ。
がしかし、俺の計算上、何事も無ければ生きられるはずだった…


あんなイレギュラーさえなければ…


「そうですね…」

スザクのことを話せば話がややこしく、というか会長におもしろがられるのがオチだ。
ここは適当に流しておこう。


「やっぱりね☆こぉのシスコンが!」


ルルーシュのテンションとは真逆で、ミレイはずっとハイテンションだ…


「じゃあルルーシュまた放課後ね♪しばらくは家のこともあるだろうし、早く帰っていいから。あっでも仕事はやってね。」


「分かってますよ…」


だるそうに生返事をし、ルルーシュは眠りについた。





授業が終わり、生徒会室に向かおうと立ち上がる。


昨日の疲れがでたのか、今日の彼は一時間目から最後の授業まで寝っぱなしだった。


まぁ1日授業を聞いてなかったくらい何の問題もないがな。


なんて心の中で言い訳をする。


生徒会室に入ると何時ものメンバーが既に集まって楽しそうに会話をしている。

「あっ!ルルがきた♪」

「そんな幽霊でも見たような顔をするなよ…」

「だってルルはすぅぐサボっちゃうから。ちゃんと監視しとかないと☆」



「シャーリーは俺の保護者?」


薄笑いしながら問いかけると、頬を赤くしシドロモドロ


「べっ別にそういう訳じゃないけど///」


彼女はシャーリー・フェネット。水泳部と生徒会を掛け持ちする明るい少女だ。
ルルーシュのことが好きとかなんとか…な感じらしい。


「あら〜シャーリーお母さんになっちゃったの?残念ねぇ?」


ニヤニヤしながらミレイが茶化す。


「ちょっ会長!どういう意味ですか!?」

「言っちゃっていいのかしら?」
「わぁぁぁ!!!!やめて下さいやめて下さい///」


「ホントからかいがいがあるんだから。シャーリーは」

「会長〜苛めないでくださいよ…」


「ふふっ。さぁ、さっさと仕事片付けて帰っちゃいなさい副会長。」

「そうさせてもらいます。」


一連の会話を聞いていたルルーシュは、椅子に腰掛け、積み重ねられた報告書に目を通しだす。


それぞれが仕事を始めて10分位が経過した時だった…


静かになった生徒会を最大のイレギュラーが襲う。





『ルルーシュぅぅぅ!!!!!ルルーシュぅぅぅ!!!!!』



「えっ?何?誰かルルーシュのこと呼んでない?」

「どこから?」

「外からみたい!!」

「外って誰が?聞いたことない声な気がするけど…」


生徒会メンバーがあまりにもバカでかい声に驚いている中、ルルーシュだけはその声を無視し続けた。


「ちょっとルルーシュ!あんたのこと呼んでるわよ!!」


『ルルーシュぅぅぅ!!!!!ルルーシュぅぅぅ!!!!!』


その声は益々大きくなる。


その声の主には心当たりがあった…
そう彼の最大のイレギュラーだ。



くっ!!スザク…何故家で大人しく待っていないんだ!!

もし今ここでスザクのことがバレれば、生徒会の連中にスザクが家政婦がわりだと知られるのは必至。
どうする…



しかし空気の読めない彼は、ルルーシュに選択の余地を与えなかった…


『ルルーシュゥゥゥゥ!!!!!』



彼の声は、最大音量までに達し、それはもはや公害のようだった…



「ちょっとヤバイって!!耳がどうにかなりそうだ!!」

堪えかねてリヴァルが耳を塞ぎ踞る。


窓はガタガタと音をたて振動し、今にも割れてしまいそう。




「信じられない!!ここ二階よ!?」

シャーリーもミレイも限界にきていた。
そしてルルーシュの怒りは頂点に、いや振りきった…



ガタッ



勢いよく立ち上がったルルーシュは、声がする方の窓までズカズカと歩いていく。



バン!!!!


窓ガラスが外れるほど激しく窓を開けた。





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