やっぱり愛しいスウィートハート(ルル誕)
いざっ出陣!!



バーーーーンっ


そんな効果音が聞こえてきそうな…
なんなんだろうこの威圧感というか…


ていうかこれなんて豪邸っ!!
凄すぎる!一般市民の住む家じゃないよ!?これは!
ランペルージさんって一体何者なんだ…



学校から歩き始めて約20分。手を引っ張られながら連れてこられ、着いたと彼が指を指した建物はこの街に似つかわしくないとんでもないお屋敷だった。


「……ちら…か…てる…けど…」


友達を招くのは初めてなのだと言っていたし、そのせいもあってか少し戸惑いがちの彼だけど…


一応言っておくけどそんな恥ずかしそうに照れながら紹介していいお家じゃないからね?!

散らかってるどころか、庭が左右対称シンメトリーだよ!えっ?何ここ美術館!?


あまりの浮世離れ具合に衝撃を受けて立ち尽くしていると、ランペルージさんは慣れた手つきで鞄から取り出したカードキーで立ちはだかる門を開けて見せる。そうですよね、今の時代カードキーですよね!わかります。



どうしよう…只でさえ頭の部分でランペルージさんとの距離を感じていたのに、更なる高い壁が…
身分的にも無理があったりして?な展開だよね。




僕の動揺もお構いなしにランペルージさんはスタスタとその邸宅へと入っていく。僕はキョロキョロおどおどしながらそれを追うようにして彼に着いていったのだった。




門から庭を歩いて玄関の扉を開けば、綺麗な女性が出迎えてくれる。貴婦人のように優雅な所作やキリリとした顔立ちを見ると彼の母親なのだとすぐに分かった。


「はっ初めまして!枢木スザクです!今日はよろしくお願いします!」


わぁ〜緊張しすぎて声裏返っちゃったよ;恥ずかしい。第一印象が肝心だって本に書いてあったのに…
失敗したかも。


「はい初めまして、ルルーシュの母のマリアンヌです。ルルーシュから何時もあなたの話は聞いているわ。今日はゆっくりしていってね。」


張り切って挨拶してはみたけど、大丈夫だったかな?ていうか、ランペルージさんは僕のこと家の人になんて話してるんだろう…
すごく気になる…


挨拶もそこそこにさぁ上がってと手まねかれ、靴を綺麗に揃えてから用意されていたスリッパに履き替えていると、奥からバタバタと複数の足音が聞こえてくる。走ってくる音はどんどん近くなりその主がひょっこり顔を出した。


「兄さんおかえりなさい!!」

「お兄様!待っていたんですよ!」


嵐のように突然現れたのは噂に聞いていた双子ちゃんだね。人形のように愛らしい顔立ちの二人は並んでいると何かのマスコットのようだ。うん、そうか。ランペルージ家は美形一家なんだね。


目標の人を見つけた彼らは僕の存在を気にもとめず同じく靴を脱いでいたランペルージさんに駆け寄った。

「ただいま、ロロ、ナナリー。」


えっ?
ランペルージさん普通に話してるっ!
学校での彼は何時も途切れ途切れでぎこちなく話すのに、すらすらと言葉を発している彼の姿に僕はとても驚いた。控え目な感じは変わらなくても、また別の彼の一面を発見できて来てよかったと心から思った。


「あっ…枢木くん…えと…弟の…ロロと…妹の…ナナリー。」


ランペルージさんが紹介してくれて二人は初めて僕の存在に気づいたようで、妹ちゃんは慌てて僕に挨拶をした。ランペルージさんが言っていた通り、素直でとてもいい子だ。
弟くんは…
え〜と…あれ?なんだろう冷たい視線を感じるんだけど…


「ロロ、ナナリー…とっ友達の…枢木スザクくん…だよ。」




友達ってところでとても嬉しそうに目を細めるランペルージさんの姿を見ていたら僕まで照れ臭くなった。これからもっと仲良くなりたいと思う。次に誰かに紹介されるときは、親友または…こっこい…いやいや、これはいくらなんでもまだ早いよね、焦らない焦らない。


「こんにちは。枢木スザクです!急にお邪魔してごめんね、僕にもランペルージさんの誕生日を祝わせて下さい!よろしく!」


刺すような視線に若干の違和感を覚えながらも笑顔で右手を差し出してみた。 友好関係を築こうとする努力は大切だよね。


「初めまして、枢木さん。兄さんとは最近仲良くなったんだそうですね。今日は兄さんが主役なので大した持て成しもできませんが、楽しんで言って下さい。」

少し棘のあるような言い方をされたものの差し出した手を握り返されたことに安堵を覚えていると、途端に手が潰れそうなくらい強く締め付けられた。

ひ〜痛いっ!


一瞬何をされたのか分からずに痛みから顔をしかめた後前を向くと、ランペルージさんには見えない角度からこれでもかって程に睨み付けられた。
うっ嘘、もしかして僕歓迎されてない!?



一見人当たりの良さそうな笑みを浮かべているけど、なんか常に目だけは笑ってないよ!?


この殺気に全く気づいていないランペルージさんは僕の横で満足だと言わんばかりにニコニコしている。心配するどころかこの幸せそうな笑顔だよ。
可愛いなぁ…


なんて思ってる場合じゃない!!


ひょっとして今日は試練の日になる予感…?










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あきゅろす。
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