やっぱり愛しいスウィートハート(ルル誕)
正解をどうぞ!




「ありがとうございました〜」



店員さんの明るい声に送り出され、僕はとぼとぼと店を後にする。
街に輝くイルミネーションが余計に僕を虚しくさせた。



買いました…買いましたけど…
本当にこれでよかったのだろうか…


努力はしたんですが、結局いい答えが聞き出せなくてさ。趣味とかであたったのがいけなかったのかな。
はぁ〜


僕が買ったものは、サイズに応じた布製のブックカバー三枚セット。
ランペルージさんの好きなものが本しか思い浮かばなかったから結果としてこうなってしまった。


ランペルージさんの読む本はどれも聞いたことのない難しそうなやつばっかりだから、本をあげるにしてもどんなのがいいか全く検討もつかないし、読み終わったら本棚に並んでしまうだろうから、何時も持っててもらうため敢えてカバーにしたけど。


安すぎたよな…絶対…
でも、どんなに頑張って良いのを探しても、ここら辺で売っているものなんて限られていて、選択肢が殆どなかったんだ。


まぁ学生だからもともとそんなに高い品は買えないんだけどさ…





ただ何時も本を読んでいるランペルージさんだから、どんな時でも僕のことを思い出してくれればいいなって思ったんだ。


何気なく通り過ぎたきらびやかなショップが気にかかり振り返ると、彼氏にプレゼントをねだっているのだろうか、お洒落なバッグが並ぶショーウィンドウの中を指差しながら彼氏の腕を引っ張る女の子の姿が視界に入る。


あのくらい意思表示があればもっと簡単に決められたんだろうけど、彼にそうなってほしいとは少しも思わなかった。


でも双子ちゃんのプレゼントと比べられたらめちゃくちゃ見劣りするんだろうな…

ずっと一緒に住んでるんだもん、ランペルージさんのこと分かってるだろうし。


僕なんかよりいいプレゼントを用意しているに違いないよ。ちょっと渡すの忍びなくなってきた。


買い直すにしても日もなければいい案もない。
喜んでくれるといいけど、そうでなかったらせっかくのイベントが台無しだ。

クリスマスも近づきカップルや親子連れで賑わう街中を、ランペルージさんのことを考えながら歩く。


秋も終わりへと近づいた夜の寒空を見上げながら、クリスマスも彼と一緒に過ごせたらとても楽しいだろうなとぼんやりそんなことを思った。









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あきゅろす。
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