やっぱり愛しいスウィートハート(ルル誕)
君の趣味を教えて下さい。
さてどうしたものか…
迫り来る愛しの人の誕生日まであと1週間しかない。仲良くなって初めてのイベントだ、この機会を逃す手はないと思う。
ここでグっと二人の距離を縮めたい。そう思うけど…
実際は全くいい案が浮かんでこないわけで…
誕生日当日は双子ちゃん主催の誕生日パーティーが開かれるそうだ。その予定はもう変わらない決定事項らしいから、僕もそれにお邪魔させてもらうことにした。
本当は二人で過ごしたかったなんて本音は胸にしまっておこう。
恋人同士でもないのに二人っきりはおかしいしね、やっぱ…
誕生日会かぁ〜なんか懐かしいな。僕も昔は友達とか呼んでやってもらったっけ。蝋燭を吹き消すときに強く吹きすぎちゃってケーキに乗ってるクリームを友達にひっかけて怒られたことは今でもよく覚えている。
ランペルージさんはどんな風に祝ってもらってたんだろう。
大抵誕生日会って言ったら、歌うたってケーキ食べてプレゼントもらっておわり…
そっそうかっ!!誕生日プレゼントをどうするか決めないと!
危ない…うっかり手ぶらで行くところだったよ;
ランペルージさんは今欲しいものとかあるのかな…
でも何となく見てて思うのはあんまり物欲とか無さそうな感じってこと。必要最低限のものが揃ってれば問題ないって感じだし。
趣味とかからあたってみるか…
午前の授業が終わり迎えた昼休み。もはや当たり前となった二人でとる昼食を楽しみつつ、僕は調査を開始した。
お互い持参しているお弁当を2つくっつけた机の上に広げながら向かい合う。
下手すると無言のまま昼休みが終わってしまいそうな沈黙の中、黙々と弁当をつついていたランペルージさんは、じっと見詰めていた僕の視線に気づく。
僕はいつ話を切り出そうか迷うあまり目の前の食料に全く手をつけていなかった。
「……た…べ…ない……?」
「あっ?……たっ食べるよ!」
いけない、僕が自分で大事な時間を潰すところだった。ランペルージさんが僕に興味を示している今が絶好のチャンスだ!
「ねぇ、ランペルージさんは好きなものとかある?」
僕のいきなりの質問に彼は箸を持つ手を止める。
唐突すぎたかな。もっと遠回しに言えばよかった。
「も…の?」
「あ〜っとなんか今はまってることとか、気になってることとか何でもいいよ!」
今欲しいものっていいそうになった;誕生日プレゼントはちゃんと自分で選ばないと駄目なんだ。ずるしちゃイケない。
返答に困ったらしい彼はそれから何も言わなくなってしまった。
質問が悪かったかな。
う〜ん何て言ったらいいんだろう。
良い言い回しを考えていると徐に彼の唇が開く。
おっ何かくるぞ!
「……く……」
「うん!どうぞ?」
答えやすいように促してあげれば、少し伏し目がちになった後、彼はその形のいい唇で僕のハートに止めをさしたのだった。
「…くっ…枢木く…んのこと…が気に…なる…」
ズキュ〜ン
本当にありがとうございました…
あ〜どうして君はそうなんだ…
何て嬉しいことを言ってくれるんだよ。きゅんってなったよホントにもう。
「僕もランペルージさんのことが気になる!」
そんな悪態をつきながらも彼の手を握りしめた僕はここが公共の場で教室だということも忘れて全力で想いを伝えたのだった。
嬉しいよ?この上なく嬉しいけど、また好きなもの聞きそびれてしまったぁ!!
あってるんだろうけど、僕が求めてた答えはそれじゃないんだ…
僕はずっと君の側にいるんだからその願いはもう叶っちゃってるんだよ。そうじゃなくてプラス何か贈りたいの。
もう日もないのに…
あぁいっそ君のその可愛さが憎いよ…
誕生日までもう秒読み状態です!
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