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★小説
♪猫に嫉妬<丸井ブン太


にゃー、



『…か、可愛いっ〜!!』


「…だな、にしても野良猫かよぃ?」


『多分ね』


一応彼氏のブン太に適当に返事を返すと、そのまま小さな猫ちゃんの頭を撫でるのに没頭する私。



「おい姫〜、帰ろうぜぃ?」

『…うん』











「でさ〜、ジャッカルがそん時……って、聞いてんのかよぃ?」


『……へ?き、聞いてるよっ!!


ひきつった笑みで返す私。…だって、聞いていなかったから。


「…つか、何でその猫持ってきたんだよ!!」


そう。…先程の子猫に夢中だったのだ。頭を撫でてやると擦りよってくる姿が愛しい。でも、抱き抱えている体制だから胸に丁度当り擽ったい。


「ちょ、こいつ…姫の胸触りやがった!お前も見ただろぃ?!」


猫相手に必死になるブン太が可笑しくて笑いが込み上げてくる。
…子猫はというと、私に顔を近づけてきたので更に愛しさが増してきた。私からも顔を近づけて軽く触れるだけのキスをする。
「おいっ…猫!」


『ブン太ってば…相手は猫ちゃんだよっ?』


宥めようと首を傾げながらそう言うも拗ねたような表情を此方へ向けてきて、それがまた面白くてつい笑ってしまう。



「……」



今度は無言になった。…かと思えば私の肩に頭を乗っけてきた。珍しく甘えてくる可愛らしい姿にときめきつつ頭を撫でてあげる私。

「なぁ…姫。」


『なーに?ブンちゃん。』



ちょっとふざけて呼んでみた直後から私の顔をじっと見てくるブン太。恥ずかしくなった私は目を反らす。でも、ブン太によって頬を両手で掴まれ無理矢理向かい合わされてしまいそれは叶わなかった。


『なに……、わっ』


顔が近づいてきたかと思えば唐突にキスをされた。…と思いきや、後一センチ有るか無いか位の距離で寸止めされた。


心臓の鼓動が煩くてたまらない。


『…どした、の』


「……キス、してくれ。」


いきなりの言葉に硬直する私。妖艶的に目を細めて私を見てくるものだから、困る。仕方なく…いや、恥ずかしいかったけれども私から顔を近づけキスをした。

そして、直ぐに顔を離す。



「……俺は猫かよぃ。」



寂しげに俯くブン太を見て罪悪感が沸いた私はもう一回、次は長めのキスをする。…息が続かなくなり離そうとした、その刹那。


後頭部を押さえつけられられ舌が入ってきて絡み合う。


『んんっ……ふぁっ…、っ』


息がもう限界で必死にブン太を見つめる。

それに気づいたのか顔を離してくれた。


「……あんま妬かすなよぃ。」


『ブン太…猫ちゃん相手にそんな事言わな…ひゃっ』


言葉をいい終える直前に床に押し倒されてしまった。


「姫…じゃぁ、証明してみろよぃ?俺の方が好きだって…」



もう二度とブン太の前では動物を抱っこしたりしない、と誓った私。




11/06/30 +fine+





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あきゅろす。
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