[携帯モード] [URL送信]
 


「んっ…む、ふぁ」

「は、ユーリ…」

「ふれ、ん……な」



『何で』そう続く予定だったろうその言葉を遮る様に、飲み込む様に唇を塞ぐ。

角度をかえて何度も何度も口付ける。
そのたびに漏れるユーリの少し苦しそうな甘い声に、酔いしれた。



初めて触れたユーリの唇は、驚くくらいに柔らかく、甘かった。
キスには味がある、なんて言い出した何処かの誰かに今なら賛同出来る。

ユーリの唇を味わうように、口付けたままペロリと舐め上げてみた。
途端に僕の手が置かれている細い肩がビクッと脈打つ。

そっと目を開くと、至近距離で震える長い睫毛と赤い頬。美しい瞳はギュッと閉じられて何も映さない。

ユーリの身体が震えている事に気付いた。
否、気付いて、いた。




ごめん 怖がらせてごめんねユーリ
だけど もう

止まらないんだ






「ふ…ぁ、やっ…フレン…!!」

「ユーリ、ユーリ…」


いやいやと首を振ってやめてくれと懇願するユーリ。
だけど毛頭やめるつもりはない。
ユーリの肩に置いていた手を外し、僕の胸を押し返してくる両手を掴んだ。そのまま両手をユーリの頭上に纏め上げる。
露になった首筋にゆっくり舌を這わせた。

びくりとユーリの身体が波打ち、途端にばたばたと足を振ってもがきだすユーリ。(普通の反応だと思うけどちょっと悲しい)
それすらも許さない。
暴れるユーリの足を掴むと左右に開き、間に自分の足を無理矢理ねじ込んだ。



「や…っ!いや、いやだフレンッ!!」

「ユーリ…ごめん」












君が 好きだ














ぼそりとそう呟くとユーリの綺麗な瞳が見開かれた。
そんな彼女を一眼し、再び深く、優しく口付ける。



すると、今まで暴れていたユーリがピタリと抵抗を止めた。

不審に思って唇を離しユーリの顔を覗き見ると、泣くでもなく怯えるでもなく、ただ驚愕の表情を浮かべ顔を真っ赤に染めていた。


「え……ユーリ…?」

「……」


流石に様子がおかしい。
さっきまで止められそうになかった昂りが、不安感から冷めていくのが解る。




「えっ、と…」

「…」




どうしていいかわからず二人共無言になる。
そんな気まずい空気の中、先に口を開いたのはユーリだった。




「おまえ…」




真っ赤になったユーリが潤んだ瞳で僕を見つめる(それだけで反応してしまった僕の息子が情けない)


「…オレの事、す…すき なのか、」

「え…」


自分で口にした言葉に照れているのか、赤い頬をさらに赤くして、僕の正面からぷいっと顔をそらすユーリ。


「ち、違うのかよ…っ」


じゃあさっきの言葉は、どういう意味なんだ、
そうたずねてくるユーリに今度は僕が驚かされる番だった。



「…違わない、ユーリ」


そらされた頬を両手で包み、そっと自分の方に向ける。
すると自然と見つめ合う形になった。




「 僕は 君が好きだ 」





小さい頃からずっと好きだった、

そう付け加えて、頬に添えた手をそのままユーリの後頭部に回して引き寄せ、ギュッと抱きしめた。

暫くそのまま動かずにいると、恐る恐るユーリの腕が僕の背中に回された。



「…本当、か」

「僕が君に嘘を付くと思ってるのか?」

「……思わない」


密着しているせいでユーリの表情は伺えないが、先程より赤くなっている事が想像できた。


「……フレン」

「ん…、なに?」


ユーリの匂いと柔らかさを堪能していると、か細い声が耳に届いた。
それと同時に抱きしめた胸に擦り寄ってくるユーリの頭。





「…すき」





自分の回りだけ時間が止まったような気がした。



「え…」

「オレも…ずっとお前が好きだった」



恥ずかしいから何度も言わせるなと、赤い頬を隠すように更に密着してくるユーリ。





え、と……



僕が好きなユーリは、僕の事が好きで…

それって、つまり

りょ、両想いってこと…だよ、ね?



……。







ど う し よう !


凄く、嬉しい…!!









「で、でもユーリ、僕は君に無理矢理こんな酷い事を…!」

「…オレの事が好きだから、したんだろ?…なら、許す」

「!! ユーリ…」

「それ、に、」


ユーリが密着した身体をずらして僕の顔を見つめてくる。
綺麗な紫がかった漆黒の瞳に吸い込まれそうな感覚に陥りながらもユーリの言葉に耳を傾けた。






「フレンにされたいって、思ってたから…キスとか嫌じゃなかったし…!好意でしてくれたんなら…む、むしろ、嬉しかったけど、な…」






…ああ もう!

一体何回僕を惚れさせるつもりなんだ、君は!!














「ユーリ、好きだ!!!」

「わっ、わかったって…」

「愛してる!!」

「ばっ!!おま、なに言って…んぅっ」



ユーリの返事を待たずに、塞ぐように何度目かわからないキスをした。




「ユーリ、ずっと傍にいてくれ…」

「…お前がオレを必要としなくならない限り、な」

「ありえないから」



ユーリの返事に即答すると、思いっきり笑われた。(何で?)



「お前どれだけオレのこと好きなんだよ」



くすくすと照れたように笑うユーリが可愛くて可愛くて仕方ない。


「世界中の何よりも、ユーリが好きだよ」

「…そんな事言ってていいのかよ、騎士サマ?」

「ユーリがいなければ、世界や法を変える意味なんてないから」

「お前の世界の中心、オレかよ?」

「ユーリがいるから 頑張れるんだ」



そう言って二人で笑い合う。


ああ なんて幸せなんだろう

これ以上の幸せなど…あるのだろうか、







まぁ…ある、けど!!(自己嫌悪だ)








でももう遠慮なんかしない。
(だって僕と彼女は晴れて恋人同士だ)





「ユーリ…」

「…ん、何だ…?」

「君と一つになりたいな」

「…ッ!!」



あ、固まっちゃった。
…流石に早かっただろうか(だってシたかったから仕方ないと思う)



「ユーリ、ごめん 嫌なら…」

「…フレン」


ガシッと首を掴まれ引き寄せられた。
そして唇に暖かく柔らかい感触。

ちゅっ、という煽情的なリップ音と共に離れて行くその温もり。
今し方僕の唇にあったそれは、耳元へと移動していて、艶を含んだ声色で囁いた。




「オレも、お前と ひとつになりたい」





…君には一生敵わない気がするよ






「ユーリ…大好き」

「…さっきも聞いたよ、馬鹿」

「言い足りない」

「はは、フレンがこんな甘えん坊だとは知らなかったな」

「君にだけだ…」


少し不貞腐れて、ユーリを押し倒しながらそう呟いた。




「…もっと色んなフレンが見てえな?」

「……勿論」


ユーリがそう望むなら、



そんな下手な甘ったるい台詞は彼女の唇に呑み込まれた。









""げる

(離さないから、覚悟して?)
(頼まれたって、離れてなんかやらないから)






あきゅろす。
無料HPエムペ!