mellow
好きとか、愛してるとか、よく分からない。
けれどその言葉を聞くとひどく安心する。
同時に、何か満ちたりた気持ちになる。
きっと幸せなのだと、思う。
幸せの定義とやらもやはり分からないが。
「……んっ…」
しつこいくらいに胸の飾りを愛撫し続けていた陽介の手が下肢へと伸ばされた。
ズボン越しに形をなぞる程度の刺激がもどかしくて、無意識に腰が浮いてしまう。
「月森、腰揺れてる。すっげーエロい顔してるし」
「うる、さ……ぁんっ」
変態親父のような発言をする陽介に否定の言葉を紡ごうとして、叶わなかった。
いつの間にか寛げられていたズボンと一緒に下着も一気に膝まで下ろされてしまう。
「やぁ…あっ、ぁ……ん」
軽く握られ上下に扱かれただけで先端から透明な蜜が溢れ出すのが分かった。
わざとなのか、クチュクチュという水温を立てて擦られる。
「ぁ、あっ…や、だぁ」
「何が嫌?」
「音…っ…恥ずか、し…」
「恥ずかしい方が気持ち良いんだろ?」
そう言ってさらに扱くスピードを上げる。
より激しく耳をつく音と与えられる快感に沸き上がる射精感を堪えられなかった。
「ひっ、ぁ、あぁん…っ!」
吐き出された欲は陽介の手と俺の腹を汚した。
荒く上がった息を調える間も無く、陽介は俺の精液で濡れた指を後孔へと滑り込ませる。
抵抗もなく受け入れるその器官は本来繋がるために作られてはいない。
しかし幾度かの交わりを経験するうちに、最初は痛みしか感じなかったはずがいつしか快感が上回るようになっていた。
「あぁっ、はぁ……っ…ん」
ゆっくりと確かめるような動きだった指が次第に明確な愛撫へと変わっていく。
二本に増やされ出し入れされると快楽の波に飲まれてしまいそうになり、布団の端を強く握った。
「やっ、ぁ…はっ、あぁぁ…!」
やがて引き抜かれた指に物足りなさを感じる暇もなく、固く熱いものが宛てがわれた。
くぷり、と音をさせ押し入ってくる質量に布団を握り締める力を強くした。
この感覚にはどうも慣れない。
「…痛いか?」
頭上から投げ掛けられた声に瞳を向けると、心配そうな表情をした陽介と目があった。
俺は首を横に振り先を促す。
「平気、だから」
「痛かったら言えよ」
「ん。…ひぁ、あっ!」
根元まで完全に収められた後、ゆっくりと焦らすように動かされつい強く締め付けてしまう。
「っ…月森、力抜けって」
「む、り…も、早く動いて」
自分で言うのは恥ずかしいがそれよりも我満の限界で、俺は陽介の体に腕を回しながら言った。
すぐに、キスと一緒に律動が開始される。
指で慣らされていたときとは比べ物にならない質量に意識が飛びそうだ。
前立腺辺りを浅く突かれるのと最奥までを深く貫かれるのを繰り返され、頭の中が真っ白になる。
何も考えられない、ただ体温を感じて。
「ん、あっ、ぁ…──っ!」
体内に熱い飛沫を感じるのと同時に全身をつき抜ける絶頂感。
しばらく二人で抱き合って、どちらからともなく笑った。
mellow
(愛の理屈とか幸せの定義とか、)
(そんな難しいものよりただ体温を感じたい)
---------------------
まさに山なしオチなし意味なし←
無料HPエムペ!