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Cheeks goaf
夏祭り(井上→関←堀内)
****祭り***
(1)






「関ちゃん、今夜の夏祭り一緒にいかない?」

和彦さんからそう言われたのはついさっき。
夏祭りに誘われたのは久しぶりで用事もなかったのですぐ了承した。

「じゃ、車もってくるから。裏口で待ってて」
そう言って和彦さんはその場をあとにした。
アニメの収録後だった僕は荷物をまとめると裏口へと向かった。
「おい、関〜」
呼ばれて振り返ると
「賢雄さん?」
堀内賢雄さんがにこにこしながら話しかけてきた。
「お前、これから暇か?」
「これから…ですか?」
「これから。」
「え…と、ちょっと予定が入っちゃって…」
「なんの?」
答えようと口を開いたら
「夏祭り。」
といつの間にか後ろにいた和彦さんが答えた。

「ふぅん。」
「と、いうことなので失礼しますね」
と和彦さんが言ったのもつかの間、がしっと手をとられて僕は体勢を崩しそうになった。
が、もう一方の腕を賢雄さんが掴んだため崩さずにすんだ。

「なに」
「いんや、俺も夏祭り行きたいな〜って思いまして」
「え?じゃぁ賢雄さんも夏祭りに誘ってくれようと?」
「そう!それだよ関!俺はね、夏祭りにお前を誘おうと思ってたんだよ」
笑顔で話す賢雄に和彦はご機嫌ナナメといったオーラを放つ。
が、俊彦は全くそれに気づかない風で。
挙げ句
「じゃぁ三人でいきましょうよ!ね?」
と和彦を振り向いて笑顔でいうもんだから、和彦は折らざるえないのだった。


「わかりましたよ…………もう、関ちゃん…」
ハァ、とため息をつく和彦をみてニヤニヤしながら
「車出しよろしくな!」と賢雄が言ったのは言うまでもない。


****

和彦の車で夏祭りの会場付近の駐車場に車を停めた。

やんややんやと太鼓の音や祭り特有の音楽が聞こえる。

「なんかわくわくするな」
「賢雄さんは酒とつまみに、でしょ?」
「なんだ、バレたか」

嬉しそうに笑いあう賢雄と俊彦の後ろを半歩下がって和彦はついていく。
こんなはずでは…と思いながら。

しばらくして屋台がぽつぽつと見えてきた。

「おれ、やきそば」
「えぇ〜僕は…じやあたこ焼きで。和彦さんは?」

聞かれていつまでも不貞腐れてはいけないと、和彦は口を開いた。

「射的をやろうかと」
「射的?うわぁ和彦さんなんか似合う!似合ってる!射的といえば井上和彦!みたいな!ね?賢雄さん!」
「ん?バカいえ、射的くらい俺だってできる!」

俊彦の知らぬところで火花が散ったのは言うまでもない。

こうして三人は射的の屋台を探して祭りの人混みに入っていった。





(2)


わいわい、がやがやと大勢の人間が騒ぐ祭り。
そのなかにいい大人が3人。
射的をさがしてうろうろしていた。

「ないですねぇ、射的。僕もやってみたいんだけどなぁ」
「焼きそば買うか?」
「もう買ってるじゃないですか」
いつの間にか買った焼きそばを片手に賢雄は上機嫌だ。
「味が違うだろ、味がぁ!」
「なに言ってんですかぁ〜どこだってオタフクソース使ってるじゃないですかぁっ」
「トッピングとかたこの大きさが違うんだよ」
「味に関係あるんですか?ね、和彦さん?」
「味はそんなに変わらないんじゃない?」
和彦に賢雄が意義を唱え、その後も焼きそばの味をめぐるトークは続いた。
「あ!あった!」
そうしてやっと俊彦がみつけた射的屋はやけに空いていた。
「和彦さん!やりましょ!やりましょ!!」
「おばちゃん!大人三人ね!!」
「あいよ〜」
返事をしながらコルクの弾を6発ずつ渡される。
「俺はじめてだなぁ〜射的!どれ落とそうかな!」
「関、そこのパンダ狙え、パンダ」
「え〜なんかレベル高いじゃないですか〜賢雄さん狙ってくださいよ!」

……パン!


「あいよ、景品パンダね」
「へ?」
「おぉ?」
キョトンとする賢雄と俊彦を前に和彦が一言
「あげる」と。

「お兄さん上手いねぇ、一発でとるなんて」
「どーも」

……パン!

「あ!また落ちた!!すごい!和彦さん上手い!!」
「む、俺だってなぁ…!」
賢雄が身を乗り出して景品を狙う。
弾は一発、二発と消化するものの景品ゲットまではいかずじだんでいる賢雄を横目に和彦は小さく笑みを浮かべた。

「くっそ----!!!落ちない!!」
「賢雄さん下手くそ〜〜」
「うるさいなぁ〜関だって景品とれてないだろぉ?」
「僕はほら、パンダありますもん」
ずいっと出されたパンダが憎らしく思う賢雄はもう一度射的にチャレンジしたが結局景品はゲットできなかった。
和彦は袋にたんまりと景品をゲットし俊彦に全てプレゼントした。
賢雄はふてくされて口をへの字に曲げたまま両手を組んで歩いた。

「いや〜和彦さん上手でしたね〜僕なんか残念賞だけでしたよ〜!ね、賢雄さん?」
「うるさいっ俺だってなあ!金魚すくいなら上手いんだぞ!」
「あ、あんなところにあるじゃない?」
和彦がみつけた金魚すくいを大人三人が本気でやった後。
堀内賢雄はまた口をへの字に曲げたとか曲げなかったとか。

祭り男井上和彦には太刀打ちできない賢雄であった。





「まぁまぁ、賢雄さんそう落ち込まず…!」
「落ち込んでないぞ」
「これでもどうぞ!」
ガサッと渡された袋には和彦がとった景品が。
「これ全部賢雄さんにあげますから!ね?機嫌直して下さいよっ」

笑顔な俊彦に
「関…」
「関ちゃん…」

呟く二人の心境は複雑なのであった。



おしまい










**************
100804完成


天然なとしくんはかわいいけど小悪魔でもあるのだよ!ていう夏祭りなお話がかきたかったのでかけて満足ですが!うまく伝えきれず不完全燃焼なきがします\(^o^)/
久しぶりな更新ですいません!
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