星屑の在り方




(月姫/七夜)今此処に、偽りの契約を。




「見つけた────。七夜志貴ななやしき、こんな所で消えたくなければ、私と契約を結べ」

「…………おやぁ? これはこれは……いつぞや殺し損ねたお姫さまじゃないか。
こんな時間に出歩くのは危険だと、以前さとした筈だが?」

戯言ざれごとは認めない、私と契約するか否か。発言はそれだけを認めよう」

「やれやれ、麗しの姫様はご機嫌斜めの様だ、素直に従うとするか。
然しだな────君と契約したら、俺になにかメリットがあるのかな、お姫さま?」

「私はお姫さまという名ではない、ザビ子という名がある。
それに、メリットなら腐る程あるじゃないか」

「ほう? ならば訊こうじゃないか、ザビ子、君と契約した場合俺にどんなメリットがあるのか?」

「なに、至極簡単な事。
────消えずに済む…………それだけじゃ不満かな?」

「────────っ、ク、ハハハ……!!」

「? 私はなにか、笑えるような事を言ったのか」

「いやぁ? 君の話はとても魅力的だが笑いのネタとしては三流だ……ックク」

「……ならば何故わらう。七夜ななや

「いやなに、そんな三流な話でこの『俺』を釣ろうとした君に神経魂胆に笑ったんだよ。
ああ、気分を害したなら謝ろう?」

「いや特には。気に病まないで結構だ、こちらは気にしていない。
ふむ……確かに、こんな話でキミを釣ろうとするには些か悪い冗談ではあるか。
それでは、キミはこの話を蹴ると言うのかな?」

「いやいや、そんな勿体ない事はしないさ。
出された料理は残さず皿まで平らげるのが、俺の信条でね」

「という事は────────契約を結ぶ、という事か?」

「嗚呼。悦べザビ子、たった今から君は俺のご主人様マスターになった」

「………こんな尊大な態度な使い魔見た事ない……。契約、早まったかもしれん。
まあ良い、ひとまずこれでキミは消えずに済む、かといって好き勝手に暴れたら契約を切る。
契約内容はざっとこんなもんだが、なにか問題あるかな?」

「おやおや、これは手厳しいご主人様だ…。了解するよ、消えたら現世とやらを愉しめないじゃないか」




































七ツの夜を、君と巡ろうか。

「それじゃ君で気を紛らわすとしよう。」
「助けて遠野とーのくん……私、かなり早まった」






















◆ ◆ ◆









































←前

次→


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!