星屑の在り方




(Fate/士郎)もしものおはなし




「ねえ士郎。もしも自分の願い事が一つだけ叶うとしたら、士郎はなにを願う?」

「────また唐突だな……。それを聞いてお前はどうすんだ」

「別にどうもしないよ、興味があるから聞いてみただけ。
それで、士郎はなにを願うの? それだけ聞かせて」

「脅迫みたいだな。じゃあ逆にザビ子はなにを願うんだ?」

「……質問に質問で返すのは義じゃないよ、士郎」

「参考までに聞こうと思っただけだぞ」

「別に良いよ、大した事なんて願わないから、私」

「へぇ。それで、お前はなにを願うんだ?」

「うーん、なんだか面白そうだから世界平和とかにしとく?」

「世界平和のどこに面白味があるんだ、ばか。
良いじゃないか世界平和で、人間がみんな思う事だしな」

「馬鹿はキミだよ士郎。世界平和、それはつまらない世界だよ。
なにも無い、全てが亡くなる、存在を失う、価値がない、世界が平和になってしまったらそれこそ世界は終わりだからね、ばかちん」

「…………っ、ばかちんとはなにさっ」

「言うに事欠いてそれ? 士郎、キミって本物の御馬鹿さんだったの?」

「世界平和のどこがいけないんだっていうだ」

「価値ある世界はソレを奪い合う、価値ない世界はそれでお終い。
簡潔に説明してあげた優しい私に感謝なさい、士郎」

「それでも────!! 戦えば誰かが傷付き、誰かが死ぬ……!!
戦争はそれの繰り返しだ……だったら、いっそのこと最初からなにもない方が良い。
そうしたら誰も傷付かない……俺はそんな世界を望む」

「…………流石だね士郎、正義の味方は伊達じゃないって事かぁ。
そんな御馬鹿な恋人を持つと私は苦労しますよ、切嗣さんたらもう、お茶目さんなんだからっ」

「恋人発言は普通に嬉しいが、ザビ子さんは自分を頭良いと思ってるんですか、それは妄想です」

「いや、それは固有結界持つ人に言われても……世界を塗り潰すって発言の方が最高に頭良いよね」

「ああ言えばこう言う。いつからこんな子になっちゃったんだか、俺は悲しいぞ」

「そんな棒読みで言われてもな〜……」



































無限の問答。

「っていうか、なんの話してたんだっけ、俺達」
「さぁ。覚えてないって事は大した事じゃなかったんじゃない?」










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