星屑の煌めき




(銀魂/銀八)恋を憂う金曜日
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「お早う御座います銀八先生」

「ん、おはようさん」

「あれ。慣れちゃいました?」

「もうな、流石に居るだろうなぁて考えてドアを開けたわ、案の定だったから驚きもしない」

「ちぇー、銀八先生の驚く顔が見たかったのになー。残念。
今日は金曜日ですから、時間割に現国がないんですよねぇ」

「一週間に一回ないってだけですげぇ肩の荷が下りる思いだっつの俺は。あいつ等の相手なんか毎日やってらんねぇ」

「ふふふ、賑やかなクラスですからね、銀八先生の苦労も知ってますよ、ちゃんと分かるようになりましたもん。
わりと閉ざしてたのが勿体ないって思えるぐらい、あのクラスは楽しいんだなぁって思い始めました」

「そいつァいい変化だなザビ子。ようやくあの化物クラスに馴れたのか」

「馴れたっていうか、馴染んだって言うか? こういうモンなんだって気付いたって言うか。
とにかく、今までが勿体ないぐらいの事をやってたんだなぁって」

「そうかそうか。ようこそ3年ずぃー組へって感じかァ?」

「おっとと、なんですか、急に頭撫で繰り回すのやめて下さい」

「へーへー。丸くなったかと思いきやまだまだ尖ってたんかおめぇ」

「……子供扱いされるのが嫌いなんですぅ」

「っは、ガキがなにを一丁前いっちょめぇに言ってんだか」

「っ、高校生はもう子供じゃありません、小児科じゃないですもん!」

「バーカ、高校生なんて教師オレからすりゃあまだまだガキだっつーの、安心しろォ」

「っ……、なっ……、そぅ、ですか。そのガキと結婚を前提に付き合っている事を忘れないで下さいねー!! バーカバーカ!!」

「ばっ、てめザビ子!! デケー声で叫んでンじゃねーぞ!! 最秘匿物を大声で吹聴して去るとか選挙カーかテメーは!!
────ったく、予鈴が鳴る前に準備室出てくのは構わねーけど、大丈夫かよアイツ、結構でけぇ声出しながらここ出てったから誰かに聞こえてたらやべーんじゃねぇか……?」





◇ ◇ ◇






「────……つか、なんでこんなムキになってんだ私、別にあんな奴どうとも思ってないのに。
……私の事、全否定されたみたい……まさかまさか、そんな事ないない。
まったくあの馬鹿教師には振り回されてばっかだ、入学して以来守ってた距離間もブッ壊されたし、鉄の仮面もブッ壊されたし、イメージもブッ壊されたし、あれ、ブッ壊されてばっかだな、ふふ……。
んん? なんで今私ちょっと笑ったんだ……なんで胸の中、ぽわぽわしてんだ……?」

『────────!!』
『──────、──!』


「? なんだ、かしましい声が急に……他のクラスの女生徒か、うるせぇな牝豚共……って、ちょい待て、囲んでるの銀八先生じゃねぇか……。
まあ受け持ちじゃない限り接点ないから囲いたくなるよな、分かる分かる、銀八先生若いし仕方ない仕方ない。にしても、さっき高校生はガキだって言っときながらなに囲まれてヘラヘラしてんだあいつ……。
…………なに話してんのか、興味湧いてきた。弱味握れるかもだしな、盗み聞きしたれ……」

『銀八先生ってぇ、何気にこの学校で一番若いですよねぇ〜っ』

『ねーっ、あとはオジサンとオッサンしかいないしぃ、ちょっと保養になってるぅ〜』

『若い先生なら、俺と対して年変わんねぇ服部先生も居るじゃねぇか、あっち相手してやれ』

『えーーーー、だって服部先生“痔病持ち”って噂あるしぃ、髭あるからやでーす』

『あーね、痔持ちはやだー』


「────服部先生……日本史の先生か、まああの人も若い部類に入るのか……ふむ」

『先生なんて座ってる事が多いんだからその辺は多目に見てやろう、服部先生可哀想だろ』

『キャハハ、分かるぅ〜!! そもそも服部先生前髪長すぎて顔見えないしィ、イケメンかどうかも分っかんないじゃ〜ん?』

『それな。顔面大事だよぉ、坂田先生若いし顔カッコイイし、モテるっしょォ〜?』


「────あの死んだ魚みたいな目ぇした男の顔面格好いいと言えるお前の目はどうなってんだ屠殺場行け牝豚」

『ほんとそれなー、坂田先生ゆいつの癒しだよー!』

『目の補充? まじ分かんないけどそんなんです』

『“目の保養”な。間違った日本語忘れろお前ら、ちゃんと授業受けなさい』

『坂田先生の授業ならちゃんと受けられるんだけどな〜?』

『ねー、坂田先生ってカノジョ居るんですかぁ〜?』


「────……っ」

『────そんなん居ねぇよ、おら、予鈴鳴ってんぞ、おめーらとっとと自分の教室戻れ』

『はーい』

『先生うちらのクラスの現国やってよぉ〜』

『無理でーす。いいからさっさと教室行けおめーら』


「…………」





◇ ◇ ◇






「あ〜、づがれだ、早く帰って酒飲みてぇ……」

「────お疲れ様です銀八先生」

「おー、おめーもオツカレサン。もう何事にも動じなくなった銀さんを褒めてほしいわ」

「先生、明日って学校あるんですか?」

「あぁ? あにを急に」

「教員は土日も学校に来て仕事をすると先程松平先生にお伺いしましたので、確認をと思いまして」

「そーゆーのは俺はない、オメーらのトンデモ加減に理事長が気ィ利かしてくれてよぉ、完全週休二日制だぜぇ?」

「そうなんですか。それは良かった」

「おーおかげでゆっくり休めるってもんよ」

「では明日、朝七時にお迎えにあがりますので支度を済ませてスタンバってて下さいね」

「────は?」

「デートのお誘いです。分かりませんか?」

「分かりたくないです。あんだよ俺の貴重な休みをなんだと思ってんだお前」

「先生仮にも私の恋人役なんですから、父の目を欺く為にデートして下さい」

「づえぇぇ、ダリィよ、却下」

「先生、朝方他のクラスの女生徒に囲まれてたじゃないですか」

「ん? あー、そんな事も今朝方あったな」

「その時、恋人の存在の有無を問われて否と答えましたよね」

「…………聞いてたのか、ザビ子」

「っ……た、たまたま、通りがかったんです。
恋人、居ないんですか。そうですか。へえ。恋人居ないんですねぇ」

「だっておめー、お前は違うだろ」

「仮ですけど、それでも、私はっ……銀八先生の、恋人にも、なれないんですか……」

「────っ、」

「と言う訳で恋人らしい事をしようと思い至ったので、土曜日デートしましょう、ちょっと遠出して、私と銀八先生が生徒と先生だという事を誰も知らない場所でデートしましょう?」

「しおらしい態度取ったと思ったらこれだよ……仕方あんめぇ、行ってやるよデートとやらに」

「やったー!! じゃあ七時きっかりに迎えに行きますんで、よろしくお願いしますねっ!!」

「────なんで、そんな無邪気に喜ぶんだお前は……」












































































緋を重ねる毎に、

独占欲とかそんなんじゃなくて、もっと根底にある、何だかよくわからない、自分の事なのに良く分からないんです。
なんだろう、何か私最近変だ。私らしくもない。
どうしたんだろう、なんで、こんなにも、悲しくなったのか、よくわからない。

























































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