星屑の煌めき
(銀魂/銀時)触れ合う蜜と融ける体温
「糖分足りない」
「控えて銀時、アンタ血糖値なんぼだった?」
「太く短く生きるのが俺のモットーだ」
「長生きしてよ、私残されるの嫌だよ、寂しいよ」
「俺が死ぬ時はザビ子も一緒に死ぬからでーじょーぶ」
「なん、だと。それじゃあ安心だね! 安心して糖分摂取……させるわきゃねーだろ」
「ちっ、あともう一息だったのに」
「あと一息ってお前な、自分の体ぐらい大事にしてくれよ頼むから」
「だってよーおめーよーんな事言ってもよー」
「……ほら、銀時、飴ちゃんなら食べても良いから、あげるよ」
「おーう、さんきゅう。お、いちごアメだ」
「ん、お前苺好きだろ。少しでも充分になれるようにっていうザビ子ちゃんの粋なはからいだ」
「言わなきゃ粋なはからいだったのにな。んまい」
「そっか。満足したか?」
「んー、まぁだ存分に糖分が摂り足りねぇ」
「飴ちゃん一個で我慢してよ」
「ばっかやろ、甘党狂いが飴ちゃん一個で一定許容摂取量摂れると思うなよ」
「甘党狂いが過ぎて糖尿病手前だろお前、自重しろ自重」
「ちっ、畳み掛けても無駄か」
「ザビ子にそういうのは効かんから、まじ諦めろ」
「くそー、糖分が足んなくてイライラしてきた」
「末期なァ、ほんと……これを機になんとかするのも一つの手よな、なんとかしろ」
「暑いわ糖分摂れねぇわで、二重拷問だろんなの」
「暑けりゃ脱げばいい、私のように」
「ザビ子おめータンクトップに短パンでも汗ダックダクじゃねぇか」
「うん、わりと暑い。脱いでも暑い。つらい」
「脱いでも着ても暑くて、イライラするっつーのに糖分摂れねぇイライラと合わさってまさにビックバン起きるっつーはなし」
「宇宙創世の奇跡とあなたの糖尿病の話を一緒にしないで下さい」
「ッヅァァァ!!」
「とうとう壊れた銀時? 心頭滅却すれば火もまた涼しくなるってヅラが昨日言ってたゾ」
「あんなヅラと俺を一緒にすんな!! 奴ァそれで良いかも知んねーけど俺はマジで無理なんです〜欲望に忠実なんです〜我慢が効かないんです〜!!」
「そんな胸張って言えることじゃねーよそれ。ほんとよーもーさー、暑いから静かにして?
銀時が騒ぐとそれだけ部屋の気温上がるからマジでー、温暖化に貢献してんだかんなーそれー」
「昔の人は大変だよなぁ、こんなクソ暑い夏どーやって乗り切ったんだよホント」
「ここ最近のは天人による環境破壊が原因だと言われてるけど」
「てことは昔はこんな夏クソみたいな暑さじゃなかったのか、マジでか」
「そーやよ。や天糞。暑いからもーどうしても汗かくねェ、うわ、今ちょ、凄いよエロゲーみたいな汗の伝い方したやべぇ、すげぇ、分かる?
胸のところ、胸の膨らみから谷間にかけて汗が伝っていったの、ヤバくね?」
「……オメーは気楽でいいよなぁ」
「んんんん、馬鹿にされてるのは良く分かるけど確かに私は楽観的な節があるから否定しない」
「明確に馬鹿にしてんだよ俺は。ほれ、手ぬぐいやるから汗拭いとけ」
「んお、しぇんきゅ〜。あちーねホント、地球爆発すんじゃ? あはは」
「笑って言う事かそれ。楽天家も能天気も度が過ぎればそれは最早サイコパスだよな」
「む、それもそうな。気を付けよ。良い事教えてくれたお礼に糖分不足でイライラしてる銀時に耳寄り情報。
ハグするとストレスが軽減されるんだって、なんか前ネットで拾った」
「へー」
「凄いね、タッチセラピー? だっけな、触れ合う事で安心感と多幸感を得られるとかなんとか。人間てお手軽に出来てるね、眠い寝よ」
「ん? 今の流れから行ってお前がハグしてくれるんじゃねーの? すげぇな、全ての流れを無視して昼寝する体制に入るの?」
「えー、いつそういう流れになったの。初耳なんだけど……ていうか私眠いんです昼寝さして」
「おめーはホントにそういう自分勝手な奴だよな、長い付き合いで忘れてたけどそういう奴なんだよな、いや、俺が悪くはないけど俺が悪かった」
「うっせぇな。んだよグダグダ文句言いやがって、腹立つな、仕方ねー、ほら、ハグしてやるからソファーにそのまま座ってろよ、あ、いや、そのまま正座して横向いて」
「おぉ、こうだな?」
「よしよし、はいそのままそのまま〜。然らば────はい、ハグ」
「────────」
「うん? どうした銀時、体が強張ってるぞ」
「いやそら強張るだろなんだこの状況なんだこの体勢」
「ふむ? ハグじゃん銀時がお望みの。こう、私の胸に銀時の頭を包み入れるような体勢でのハグなだけじゃん。
なんと心音を聴くとリラックス効果を得られかつハグでストレスを半減させる空前絶後の超絶怒涛の一石二鳥。
そして私は私で銀時の髪の毛わしゃわしゃ出来るから、一石三鳥だな」
「いやそもそもおかしいって?! おま、あの、なんで俺だけが戸惑ってる訳お前普通こういうのお前が戸惑うんじゃないの?!」
「なんだよもー、どんだけストレスを溜め込んでんだお前。これで落ち着かないとかやべぇぞ」
「いや落ち着く落ち着かないとかそんな次元じゃなくて!!?? え、なにこれ俺がおかしいの??!!」
「はいはい。銀時はそーとーお疲れなんですねー、よしよし」
「リズム取ってあやすなよなんか俺馬鹿みてぇじゃんか」
「はいはい。髪の毛わしゃわしゃすると落ち着く〜。ふわふわ気持ちいい可愛い銀時の髪の毛〜」
「いや俺阿呆みたいじゃねーか。もういいわ、お前の好きにしろ……」
「お? やっとこさ落ち着いた? 良かった良かった」
「……不覚にも落ち着いたけどよ。納得いかねぇし、手持ち無沙汰で落ち着かねぇわ」
「どっちだよ。まあ銀時落ち着いたみたいだしハグもう良いだろ、じゃ拙僧昼寝すっから〜、おっやすみー」
「────アイツ、本当に何も考えてねぇな……」
落ち着くわけないけどリラックスしたのは確か。
「タッチセラピーは確かに存在した……けど男としての俺は落ち着かねぇわ……好きな女の胸に顔埋めて抱き締められた状態とかもう、ほんとご褒美だけど拷問だわボケー……」
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