星屑の煌めき




(Fate/士郎)封印された光の奇想曲





「死ぬほどたくさん美味しい物を食べたいです」

「……ダイエットするって言って、昨日声高らかに宣言したのはどこの誰だったっけザビ子?」

「うごっ、ち、違うのです違うのですー、ダイエットとその欲求はまた違うベクトルなのですー」

「ダイエットするのも勝手だが、過度な物は控える様に。このご時世この衛宮の家から栄養失調な人間は出せませぬぞ、空腹で倒れられるぐらいなら食わして食わして満腹で倒すからな、俺は」

「素敵、その姿勢とても素敵だわ衛宮くん!
でも辞めて、その理論だとわたし痩せられない……あな恐ろしや衛宮の邸……」

「痩せるって、充分細いじゃんかお前。それ以上痩せたらガリガリの域だろ?
やめとけやめとけ、それ以上はこの俺がさせぬぞ、意地でも食わす」

「うぼ、衛宮くんの賞賛は凄く嬉しいけど体重的にこの家の中でのぶっちぎりだから痩せなきゃやっばいの、アンダスタン?」

「ええええ、なんでそんな血走った目をして俺を説き伏せようとするんだ。
第一にザビ子、言うほどそこまで太ってな────……」

「────」

「……い、って、思うって、さっきも言った通り……」

「あれー? 今衛宮くんの視線の先なんかおかしかったゾー?
今衛宮くんはどこを見てたのカナー?
目線がなんか、男の子だったゾー?
どこを見てたのカナー?」

「っば、何言ってやがんだ馬鹿!! そ、そそんなのある訳ないだろたわけっ!!」

「いや良いんだよ別に。衛宮くんの男の子的反応むしろアレだからわたし的にはアレだから。
まあ、それはいいとして。痩せなきゃイケないんだよー、衛宮くん、わたしの精進料理に付き合ってくれるように皆を説得して」

「はぁ!? 俺がかぁ!? そんなの無理だぞ、第一精進料理って言ったら質素で簡素で味気なくて見た目も地味だからあの4人が文句言うだろ、どう考えても」

「だからそれを抑えて欲しい。わたしの言う事は反論しても衛宮くんの言う事なら反発しても結局納得してるじゃん、あの4人」

「むう、そこまで言われてしまうとイケる気が……いやいや、でも無理だぞきっと。
セイバーは食事の質を下げると機嫌が悪くなるのでそれだけは避けたい」

「このセイバー大好き人間め、王宮お抱えの召使いめ!!」

「ええええ、なんでさ。いやセイバーの事は好きだけど人間としてっていうか、人として好きなだけだし別に嫌いって訳じゃないし……」

「なんだこの恋する乙女みたいな反応……まあ良いさね。
うわー、痩せない……ていうか他の女性陣が軽すぎるんだよー、セイバー筆頭に軽すぎるんだよー」

「その手の話題に俺がこれ以上踏み込むと死ぬって事は分かってるのでノータッチ」

「なんだ、よく分かってるじゃないか衛宮くん。伊達に死地を踏み抜いてないね」

「まあな……」

「死相出てるよ衛宮くん……察するに余りあるよ。
いいなぁ、みんな細っこくて……女の子女の子してるから凄い可愛いし。まあその辺は彼女たちの努力に由縁するのか。
いや待てよみんな細っこくて可愛いのは努力してるからなのか、そうなのか、そうなのね、ウォッチ」

「……ノーコメントを貫きたい、所だがやはり口を挟ませてもらうぞ。
別に痩せなくてもお前はそのままでも充分可愛いんだし、無理してダイエットして拒食症になったら俺が切嗣オヤジに合わせる顔がなくなる」

「────衛宮くん……誠に申し訳ないけど凄く可愛いのは衛宮くんの方だと、わたし言わないでおくね」

「言ってるぞ、もう時既に遅しで口に声に出してるぞザビ子」

「失敬失敬。だって衛宮くん、わたしより身長低いじゃん、その上童顔ときた、最高だよね」

「ザビ子、お前今日から夕飯大豆ひと粒だけな」

「平にご勘弁くだせぇお代官様ーーーー!!!!」


































































甘い対応し過ぎたらこうだよ。

たまには厳しく威厳があるところを見せねば、もっと図に乗るな、あいつは。








































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あきゅろす。
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