星屑の煌めき




(銀魂/銀時)アブソリュートヘヴン




「はー、世の中の人間が阿呆みたいに浮かれ狂う時期がまたきやがった」

「というと?」

「アスペかおめー。見りゃ分かんだろ、バレンタインだよバレンタイン」

「ひっでぇ言い方された。年中浮かれた髪質してる奴に言われたかねーだろ俗世の人間も」

「俺の頭は浮かれてねーからな 」

「浮かれた頭してるからそんな髪になるんだ、沈め。さすれば毛も落ち着こう」

「沈むのは気分だけで十分だっつうの。っけー、チョコレート会社の商戦にまんまとノセられた悲しい連中だぜぇ?
阿呆みたいにチョコレートチョコレートチョコレート、そのままドラム缶の中に沈めってんだ」

「哀しいのはアンタのその性根だよ銀時……ザビ子、聞いてて頭抱えそう」

「んだと、大体普通はこういう時お前が俺にチョコレート渡すのがセオリーだろうが 」

「なんのセオリーなのよ……それ言ってて悲しくならない? 毎年あげてるならまだしも、アンタ一回も私から貰った事ないでしょうよ」

「普通はくれるもんだろ、俺一応お前の上司、普通は社交辞令でくれるもんだろ」

「それだったら彼女の一人や二人、作ってその娘から貰ったほうがいいんじゃない? 社交辞令でもアンタに渡すチョコ買うの惜しまれる私から貰うのは宇宙創世レベル」

「社会人としてどうなんだそれは。円満に円滑に進める為に寄越すんじゃねーのか」

「それは雇主として最低限の義務を果たしてりゃな。ところで銀時、先月の給料私貰ってない 」

「おやあそこに見えるは伝説の生き物ツチノコじゃねーかアレ捕まえて金にしよう」

「話そらすの下手か」




◇ ◇ ◇





「たっでーまぁっと」

「口語が過ぎて原型留めてない。ただいまー」

「っても誰か待ってるわけでもない」

「従業員増やす前に私に給料払ってくれよ」

「ハラ減ったなー、飯にするか飯に」

「……。しょっぴかれろ。うん、でもまあ私も腹減った。なんか胃に入れてから文句言う事にした 」

「飯のあとぐらいゆったりさせろや」

「飯のあと以外も死ぬ程ごろごろしてんじゃねーか。因みに……っうわ、今日の当番ザビ子わたしかよ。
んー、何にしようかしら…………和食だな、焼魚メインに一汁一菜、うん、これしかない」

「はーーーー、たまには豪勢に牛肉が食いてぇな」

「稼いで来い稼いでから言えバカタレ。ザビ子ちゃんが副業で働いてなけりゃコレより酷い飯になっぞ」

「それもそーだな、この時ばかりは口煩い従業員ザビ子にマジで感謝って感じすらァ」

「ん。なんか無性にお前を二階の窓から投げ捨てたくなるけど感謝の言葉言えるだけ良しとしようかな?」





◇ ◇ ◇






「ごちそーさん。うあー、ねみぃ、風呂入んねぇで寝よう……」

「ぎゃー、やめてよ汚い、風呂入れ風呂ぉ!! 衛生的じゃない男はモテないぞ」

「俺は不特定多数の人間に好かれるよりたった一人に愛されるよりも愛したいマジで」

「…………眠いのは分かった。ほぉら銀時、脱衣所まで運ぶからしっかり立て」

「ねみぃからいいよメンディー」

「良いから運ぶからしっかり立てハゲ。お前私女なんだよ忘れてると思うけど私女なんだよ? 成人男性運ぶの大変なんだよ?
はぃ、いっせーの、よっしょ、おいー、立てよー」

「風呂メンディー」

「さっきからちょい気になってたけどなにそのメンディーて、分かるけど。
あー、ほら脱衣所来たぞー、はい服脱いで風呂入れよー」

「えー、ザビ子が入れよ面倒くせぇ」

「私はアンタが入ったあとに入るからいい。ほら、もう、駄々こねんな、もう勝手に服脱がすぞ」

「いやーん」

「殺すぞ。さっさと服脱いで風呂入れボケカス!!」

「んー、ザビ子が一緒に入るってんなら入るわー」

「────」

「なんてなー、ごめん睨まないで殺さないで殴らないで蹴らないでごめんなさい」

「……仕方ない。ソレでいいなら、ほら、私も入るから風呂入れよ 」

「え。マジでか」

「マジマジ、だからホラ、先に入ってろ、後から入る」

「やべー、言ってみるもんだな」















































そうは問屋が卸さねぇ

「ちゃんと風呂入れるじゃねぇか、よしよし 」
「ザビ子が一緒に入るって……服着てんじゃねーか」
「ったりめーだろ。なに戯けてんだ殺すぞ。とりあえず背中流してやるからほら、そこ座れ」
「もう一声だったな……」









































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あきゅろす。
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