星屑の煌めき




(Fate/士郎)もう遠くなる思い出の中で




「おおぅ、ナンタコスったらドンタコス」

「……えっと、いまのは、なに?」

「衛宮くん良い所に。お腹空いたので軽くなんかおやつ的なの作ってください」

「はあ……了解、でも夕飯までそう時間開いてないぞ? 今食ったら夕飯食いっぱぐれるぞ」

「ダイジョーブ。ザビ子は無限大な胃袋を持ち合わせてるから」

「我が家のエンゲル係数も無限大なわけだが」

「はいっ!! それはもう勿論大変ですよね!! 衛宮くん頑張れ!!」

他人事ひとごとか!!」

「まあ冗談だよぉ、はいコレ、今月の食費と家賃!」

「お、おぉ、さんきゅ……助かる」

「バイトも慣れたら楽しいものだね。でも接客業だけは勘弁な」

「なんでさ。ザビ子、外面だけは良いだろ、接客業向いてると思うけど」

「やだよー、人と話すの超疲れるじゃん、相手人間じゃないよ言葉の通じないゴリラだよチンパンだよアメーバだよぉぉぉぉ」

「お客に対して凄い暴言だなお前」

「それ言ったら衛宮くんの方が接客業向いて、ないねごめん忘れて」

「む。それは俺に失礼だぞ」

「だって衛宮くん、無愛想なんだもん」

「ぐっ。それ藤ねぇにも言われたけど、俺ってそんなに言うほど無愛想か?」

「んー? 仲良くなって話し込んでるうちに『あー意外と表情あったんだなぁ』て思えるぐらいの無愛想レベルよ、衛宮くん」

「それって無愛想レベルマックスじゃないですかっ!!」

「いや、ホントの無愛想ってのはもっと違うからダイジョーブダイジョーブ。衛宮くんはそのまんまでダイジョーブ」

「それは複雑な評価だな。誠に遺憾です。
俺って自分で思ってる以上に顔に表情出てないのか?」

「んん、でも、うーん、まあ、むう、うん────うん」

「どもって結局言わないパターンやめてもらえないですか?」

「外面の良さは遠坂に学べばいいよ」

「遠坂か? んー、たしかに優等生演じてる時の遠坂は凄いよな、名人芸だアレは」

「でっしょお? あれは血筋と教養がなせる技だけど、コツさえ掴めば衛宮くんだってイケるんじゃねーの?」

「いや無理だろ、アレは伝統技能だから。国宝レベルだから無理だ」

「諦めない事逃げ出さない事大事よー、ていうか、私お腹空いたのよ、なんかおやつ!!」

「だから夕飯まで時間もないし、ベストの状態で夕飯食べられないぞ」

「無限の胃袋を」

「個人的にではあるがエンドレスループって怖いよな」

「ごめーん、わりとわざとやってた」

「だろうな。……ほら、お茶請け食ってろ」

「いえーい、せんきゅー衛宮くん」

「かわりに。ザビ子、お茶淹れてくれよ」

「う? お茶? 私紅茶しか淹れらんないよ?」

「そうそれ、そのお得意の紅茶を是非ともご相伴に預かりたい」

「えー。なんか怖いわ、でも素直で良い子なザビ子は粛々と用意をするのでしたー」

「遠坂しかりお前しかり、紅茶に拘りを持ってる人間が居るから茶坊主ちゃぼうずとしては困りものなんですよ」

「ごめーん、でも私は遠坂みたいに口出ししないし。飲めれば良い、紅茶も日本茶も、ソレだけよ。
食べ物も飲み物も、胃に入ればみんな溶けて栄養になるのだ、どんな形でも構わんよ」

「究極的な発想だ……遠坂とセイバーが聞いたら怒るぞ、それ」

「ふっふっふ、執着があるってのはいい事じゃない? アレはアレで彼女達の愛すべき短所よなァ。
突然の銀食器、見てくれ衛宮くん、この輝きを。倫敦向こう行った時に買い揃えた眩き輝きをー!!」

「遠坂が大喜びした伝説の……!!」

「そうね。遠坂スッゴい喜んでたねぇ、あれはびっくらこいたポン。
そして茶葉を撹拌かくはんさせる為に高い位置からお湯を注ぐ、某右京さんスタイル!!」

「トルコとかその辺の国もそんな事やってお茶淹れてた気がする」

「うろ覚えだね衛宮くん、ま私も知らないからなんとも言えない。
ほい、出来た。お茶請けにあわせて透き通る甘さのミルクティーにしてみました、召し上がれ」

「バタークッキーとミルクティーか。確かに相性は良いよな。では、いただきます」

「私も食べよ、いただきマース」

「────うん、美味い。ミルクティー苦手だけど、お前の淹れるミルクティーは好きだぞ、俺」

「そ。よかった。バタークッキーも美味しいよ衛宮くん、コレは衛宮くんが作ったんでっしょお?」

「え。なんで分かったんだ?」

「舌触りというか、噛んだ時のバターの感触っていうか、女の子の力で混ぜた感じじゃない感じ?
なんというか、きめ細かくなってるバター? っていうの? なめらか、うん、これだ。なめらかなクッキーだから、衛宮くんのお手製、かなって」

「────────当たりだ。凄いな、それが分かるのか、そんな差異俺には分からない」

「んじゃ今度私が作るよ。そしたら味の違いがわかると思うワー」

「了解、その日を楽しみにしておく」

「気合入れるから、期待してて、衛宮くん」

















































大好きな気持ち、届いたのかな。

「難しいな。これに関してはよく分からない。波が安定せずに常にブレてるから読めないし……なんなんだろうな、コイツ」







































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あきゅろす。
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