星屑の煌めき
(銀魂/土方)傭兵少女と入れ替わり上司
「おいお前ら。これを受け取れ」
「? なんですかコレ?」
「滞納してた給料だ。ボーナス分もある、これからもしっかり働────……」
「この人でなしィィィィ!! どうしたアルこの金どこから奪ったネ!! コンビニ強盗アルカァァァァ!?」
「もぶらぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「おぃーす、はよーって、あに朝からエキサイティングしてんの神楽ちゃあん」
「ザビ子聞いてヨ!! 銀ちゃんがコンビニ強盗したアル!!」
「違うよ神楽ちゃん、たぶん銀行強盗だよ!!」
「え、なになに、どゆこと? ごめん朝一で話が掴めないんだけど、銀時なに、なにどうしたの?」
「ぐふ……っ、いや、だからお前らの滞納してた給料をだな……」
「どうした銀時お前はなにがなんでも給料を払わない奴だっただろォォォォ!!
ていうかその金どこから入手した、正規な金じゃないんだろ汚い金なんだろ素直に吐け今ならまだ罪は軽い筈だぁぁぁぁ!!!!」
「なんなんだお前ら人が折角給料払ってやりゃその態度ォォォォ!!」
◇ ◇ ◇
「…………銀時の通帳、金引き下ろされてる、マジでか」
「オラ、これで分かったか」
「社長、なんなりとご指示を」
「順応はえぇなお前ら!! さっきまでの態度はなんだったんだよ!! 人でなしはテメーらだ!!」
「ぬゎははー、そりゃもー銀時の日頃の態度の所為だねこりゃーっ、て……ん?」
「なんだ、お前の分もちゃんと計算してボーナス分もあるだろ」
「いや、そうじゃなくって……あれ、なんか。
銀時、ちょっとわたしによく顔見せろ、面貸せやボケゴラクズゥ!!!!」
「あでっ、テメ人の顔をいきなり掴んで引っ張るたァ良い度胸じゃねーか!!」
「──────・・・・・・」
「んむっ!? ……ブアァッ、ぃ、いかなりなにすんだお前!!」
「ちょ、ザビ子さんなにしてんすか!?」
「私は突然のラブシーンにも動じないアルー」
「神楽ちゃん見ちゃ駄目です大人の爛れた恋愛情事なんて見ちゃ駄目です!!」
「違う……………………子供たち、ちょっと席外して貰えるか」
「ザビ子急におっ始めるのだけは勘弁してヨ」
「分かりました。行こう神楽ちゃん、そんな汚物を見るような眼は止めた方が良いよ」
「…………なあ、お前────銀時じゃないだろ」
「お前……!! すげぇな、分かるのか…………なんで分かった」
「キスした時の反応が慌てないからかな。あと目。死んだ魚みたいな目してない。
ていうか。マジマジ見たら瞳孔開いてるし、アンタ、土方だろ」
「大した洞察力と行動力だ。是非とも真選組(ウチ)に欲しいぐらいだ」
「その話は丁重にお断りするが、なんでまた銀時の体に土方が入ってるんだ?
変装……じゃない、中身が入れ替わってるのか」
「全く不本意ながらその通りだ。ちょいと事故に巻き込まれてな、ヤツと俺の魂とやらが入れ替わっちまったらしい」
「なに人がちょっと目を離した隙に面白そうな事起こしてんだお前ら二人。
成る程そうか。という事は今銀時は土方になってんのか。アンタがここで万事屋をやってるように向こうで真選組副長をやってる訳だな」
「恐らくはな。だがまあ俺以外にあの連中を叩ける奴は居ねぇと思うが。
それより、お前……名前なんだったか」
「ザビ子。呼び捨てで構わん」
「ザビ子、お前は社長補佐の役に就け。
組織の為には個を殺して組織を活かせ、いいな」
「御意。今のアンタはわたしの上司だからな、好きに使え。
この身は腕っ節を買われ雇われた。故に捨て駒のようにこき使うがいい」
「お前、仮にも女だろ……」
「舐めるな。元は傭兵だ。金さえ積まれれば幕臣だろうが攘夷志士だろうが闇討つのが本来のわたしの仕事だった。
その腕を買われて万事屋に雇われた、だが銀時はわたしをそのように使わない。
────それでは、意味がない。
用心棒として雇われたのに、危ない仕事はさせて貰えん、こうやって女中紛いな事をさせられている」
「傭兵……て事は、お前も攘夷戦争に参加してたのか?」
「馬鹿言え。あんな金にもならんくだらん事はやらんよ。まあ、両方にな、金で雇われていたが。
わたしはな、幕府側の人間であり、攘夷志士側の人間でもある」
「ホントに傭兵だったんだな。まあいい、お前の過去なんて興味はねぇ。
必要なのは今のお前だしな。社長補佐に就くなら文句はない、せいぜいしっかり勤めあげろよ」
「心得た。手始めに誰から闇討ちすればいい」
「そう言う事はしねーよ真選組じゃねーんだからよ今は!!
あぁ? ……待てよ、ここでまた新たに隊を築くのも悪くはねぇか、人材は揃ってんだ、編成することは可能な筈だ。
よし、ザビ子、まず最初の仕事は使えそうな奴らを適当に見繕ってこい」
「御意」
眠れる獅子は眠ったままで。
「土方。アンタと話していると傭兵時代の口調に戻る、これはとても喜ばしい。もっと早くアンタと出会っていれば良かった」
「俺としてもこうも使いやすくて優秀や部下が欲しかった所だ。お互い損をしたな」
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