星屑の煌めき
(銀魂/銀時)スカイブルーデイズ
「今日もホント暑いね。夏キタね、夏本番だね」
「梅雨入り宣言はえーと思ったら梅雨明け宣言もはえーな今年」
「わたし────夏は嫌いだなぁ……。
ところで今年は水不足だってよ銀時。また節水しなきゃだね」
「節水どころかうちは日々の生活がもう既にカツカツだからな」
「家賃何ヶ月滞納してる?」
「……三ヶ月ほど?」
「お登勢さんはよく追い出さないなマジで、ごめんなさい。
銀時、アンタわたしの渡してる金ホントーにパチンコにつぎ込んでたりしない?」
「それにしても暑いな今日」
「テメー話そらしてんじゃねぇぞ」
「ばっかやろ、ちゃんとパチンコで倍にしようと銀さん頑張ってんだぞコノヤロー」
「それ結局すってんじゃねーか」
「銀さんの努力を認めて下さい」
「認められっから、んな努力、てーかそれ努力じゃねーしよ。
っだーもう、オイコラ銀行行くぞ、お登勢さんに家賃払うついでに誠心誠意込めて謝罪しろ」
「やだよめんどくせぇ。明日にしよーや」
「ッ明日はダメだ!! 絶対にダメだ!!」
「……ザビ子、どうした。んな鬼気迫る声出さなくても良いだろ別に」
「っ…………ごめん。でも明日は無理だ。今行こう。明日はダメだから今日行こう」
「………………"今日"、か……。ところでザビ子、今日は何日だ?」
「今日は、15日だけど」
「そうかい……。そうかい、なら、今日行動してみるのも、モノは試しってやつだな。
おし、じゃ行ってみっか。おら支度しろ支度。おめーいつも時間かかってんだろ」
「おー、先に外で待っててー、すぐ済ますから多分」
◇ ◇ ◇
「────────ったく、今日もまた一段とバカみてぇにあちぃな……クソ」
「おまたへー」
「おう、じゃあ行くか」
「銀行閉まるまで、まあ時間もあるし普通に行けば普通に間に合うな。
銀行行ってー、お金おろしてー、家賃渡してー、終わり。
今日のミッションはこんな感じであります大佐」
「うむ報告ご苦労だ二等兵」
「イージーミッションですな。……銀時、近道しよ」
「あん? 近道もなにもこの道沿っていきゃ行けんだろ」
「こっちの道のが近いの。……お願いだから、この道通らないで」
「あぁ?」
「ザビ子ちゃんの言うとおりにしとけば大体勝てるの! ほら、行くよ!」
「馬鹿たれ、おめーが行こうとしてる道は工事中だからあぶねーの。
そこを右じゃなくて左に入った道のがちけーぞ。そっちから行くぞ」
「え? なんでわたしが行こうとしてる道が分かっ……、ソレよりも、なんでその道が工事中だって知ってんの」
「────今朝方、新八が言ってた。
それよりもほれ、はぐれっといけねーから手ぇ貸せ手」
「なにを恥ずかしい事をしよーとしてるんですかコノヤロー。いい年こいて迷子予防の手繋ぎとか憤死と辱めの極まりすぎて断固拒否します」
「銀さんの一生のお願いっつってもか?」
「何度目の一生のお願いだ貴様」
「ま、そうだな。それでも手ぇ貸せ。色々あぶねーかもだろ。
極度の方向音痴の誰かさんはウチの近所でも迷子になるだろーが」
「ぐぬぬ……言い返せぬ。仕方ない、背に腹はかえられない、ここは一時の恥などかなぐり捨てて手を繋いでおこう。
色々便利だろうし、後悔する前に行動あるのみだし」
「おっ、今日は思い切りがあるじゃねーか。たまには珍しい事もあんじゃねーの?」
「これからはらしくない事もしていこうと思ってね。………………なにがスイッチか、分かんねぇし……」
「人間素直が一番だと銀さん思うぞ、うむうむ」
『──────────────……!!!!!!!!』
「ンだぁ? やけにうるせぇな」
「ッ!? 銀時危ない!!!!」
「うをっ!? …………あだだだ、急に突き飛ばすたァどういう了見して…………、っ!!??」
「……ざまぁみろ……」
「……おい、ザビ子? ザビ子……なんだよ、どうしたんだよ、なにがどうして、またお前がっ……!!
────────ぅグッ……!! クソ、また駄目なのかよ……!!」
◇ ◇ ◇
「今日もホント暑いね。夏キタね。夏本番だね」
「梅雨入り宣言はえーと思ったら梅雨明け宣言もはえーな今年」
「わたし────夏は嫌いだなぁ……」
永遠に続くこの地獄を止めて
「────また、駄目だった……。……もう、どうしたら良いのか分からない……どうしたら、この地獄から抜け出せるんだよ……!!」
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