星屑の煌めき




(イナGO/狩屋)変わらずの時間に安堵する概念




「うを、さびィー!!」

「おぉ、これは本格的に冬将軍が来日してきたなー」

「部活棟行くまでが地獄ですねー!!」

「カリヤーんは寒がり屋さんだな、これぐらいならまだ耐えられるだろう」

「いや寒いもんは寒いですよォザビ子センパイ!!」

「こんなもんまだ序の口だろ。これぐらいまだ耐えられる」

「無理っすよ、この寒さはもう人類は耐えられません、さむさむさむぅ!!」

「私、お前より薄着なんだけどな」

「言われてみれば……ザビ子センパイ、カーディガンどうしたんですか?」

「寒がってる葵にそっと掛けてきた」

「ワー流石ダーザビ子センパイカッコイー」

「棒読みだな、カリヤーん」

「いやーもう流石過ぎて流石ですねとしか言いようがないっていうかー」

「カリヤーん、年上には、敬語を、使いなさい」

「いだだだだだ、ほっぺ抓らないで下さいよ地味に痛いから止めて下さい」

「あはは、ほっぺぷにぷにだな。お前は本当に可愛い癖に可愛くない奴だ」

「ザビ子センパイ、男に可愛いは褒め言葉じゃないってオレ言いましたよね」

「そうだったかな? 悪いが記憶にないぞ?」

「相ッ変わらず都合の良い脳味噌してますねザビ子センパイ」

「んー? お前にだけは言われたくないぞー? 狩屋くーん?」

「いだだだだだ、ヘッドロックとか止めて下さいよ」

「コブラツイストじゃなかっただけ感謝しなよカリヤーん」

「ザビ子センパイはどうしてそう頑なにプロレス技に拘るんですか、止めて下さい」

「アメリカのプロレスこそ我が至高、日本のプロレスなんぞには興味はないぞ」

「いや、聞いてませんので熱く語らないで下さい。
そうこうしてる間に────部活棟、着きましたね」

「うむ、その様だな。精々、霧りんの邪魔をしない事だなカリヤーん」

「ザビ子センパイのネーミングセンスは絶望的ですよね、それじゃオレはこれで」

「────絶望的、なのか……」

「どうしたザビ子、呆っとして」

「……新藤か」

「サッカー部になにか用か?」

「いや、いつもの通りに見 学冷やかし

「なら隅っこで大人しくしてろ」

「進藤はシャレが分からない奴だな、私は狩屋を見ていたいだけだ、お前らの練習の邪魔はしない」

「……だと、良いんだがな。お前は前科があるからいまいち信用出来ない」

「わーい、信用されてないね」

「普段の行いだろ。まあ本当に見学するならベンチに座って大人しく見ているだけなら許す」

「マジでか。やりぃ、さんきゅな進藤」

「前々から言っているが、お前漢字変換間違えてるからな、俺は神童だぞ」

「音は同じじゃないか、細かい事は気にしない。これは神童の渾名みたいもんだ、有り難く享受しろ」

「お前のネーミングセンス壊滅的だから素直に喜べないんだ」

「そうか、今度は破壊的ときたか……泣くぞ」





◇ ◇ ◇






「お疲れ様でしたー」

「お疲れ、カリヤーん」

「あれ、なんでザビ子センパイ居るんですか」

「私が居たらマズいのかねカリヤーん?」

「別にー。大丈夫ですよセンパイが気にするような事はないでーす」

「うむ。なら宜しい。狩屋、一緒に帰ろう」

「……今日はなにを企んでるんですか」

「無粋な事を……可愛い後輩と帰路を共にしようといういじらしい先輩心が分からんのか」

「いじらしいかどうかはさて置き、まあ方向同じですから別に構いませんけど」

「なら、文句を言わない」

「っ……文句は、言ってねぇじゃん」

「うむ、ならば良し。帰ろう、じゃあな神童、霧野」

「ああ、くれぐれも真っ直ぐ帰れよザビ子」

「心得てるさ霧野」

「寄り道は駄目だからな」

「……」

「目を反らすな」

「狩屋帰ろーか、また明日な2人ともー」

「おわっ、ちょ、腕を引っ張った状態で走らないで下さいよザビ子センパイ!! 危ないじゃないっすか!!」

「まあ良いじゃないか。
よし、学校と二人が見えなくなったな────コンビニ寄ろう、私無性にアイスが食べたいのだ」

「キャプテンから寄り道するなって言われたばっかなんですけど、あとこの寒いのにアイスて確実にお腹下しますよ」

「約束と規則は破る為にあるんだ」

型破りアウトローっすねザビ子センパイ、あとでキャプテンにチクらせていただきます」

「狩屋」

「なんですかザビ子センパ────────もがァ!!??」

「これでお前も共犯者な」

「ちょ、え、なに人の口に突っ込んでるんですか!!」

「ん? みんな大好きホームランバ○トだが?」

「商品名を言えってんじゃなくてですね!? なにコンビニで買ったものをオレに食わしてんですか!!」

「買い食いは駄目なんだろ、狩屋?」

「……言質、取られた」

「そのお菓子を買ったのは確かに私だが、食べたのは狩屋、お前だ。密告しようものならそれは自らの首を絞める事になる。
それを承知の上、神童にチクるならどーぞご自由に?」

「ザビ子センパイって絶対性格歪んでますよ……!!」

「あ、公園だ。なあ狩屋、ブランコ乗ろうよ」

「……はぁ、どーせオレの話なんか聞いてない、か……待ってくださいよザビ子センパーイ、慌てなくてもブランコは逃げませんよー」










































昔から変わらない背中を追い掛ける。

「よし狩屋、どっちが高く漕げるか勝負だ!!」
「望むところですよー、オレ絶対負けませんから!!」




















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あきゅろす。
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