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極楽蝶華
俊のケータイ
 
 


「まぁ……これで、悠紀仁が女の人にモテない理由がよ〜……ッく分かった。」

強調しすぎです奈緒先輩。


「まぁな。確かに顔こんなだし。悠紀仁の事彼氏にしたがるチャレンジャーはいないだろうな。」

「横に連れて歩きたくないんだろうね。女って無駄にプライド高いの多いし。」


……またこの犬猫わぁッ!!


テメェらが顔良いからってぇッ!!!



「オイ……ところで悠紀仁。その長谷山、って女。
今何処にいる。」

「うん……悠紀仁、教えて?」


『え……。
そんなの聞いてどうすんですか?』

この双子は。


「いいから教えろ。……何処の高校だ?」


『……確か、都内の私立……名前までは知らない。』


「……聞けば分かるか?」

『え?あ……うん。
でもケータイ外に繋がらないだろ?』


聞けないじゃん。



「俺のケータイ使え。何処にでも繋がるから。」



ポイ、と寄越された黒いケータイ。


『何。それも会長特権?』


「馬鹿。ここ俺んち。」



あ、そっか。



「……そのケータイが、何?」

『あ、いや……お前、ストラップとか掴むのに必要な分しか付けなさそうだったから……。
ちょっと意外で。』



黒革に銀のスタッズの嵌まった趣味の良いのが一つ。明らかにブランド物。

発音解んないから読めないけど。


もう一つが、蒼の石の嵌まった銀色の蝶々。



『……俊みたいなのが、よくもまぁこんな繊細な細工ケータイにぶら下げて破損させずに使えるなぁ……』


と、奈緒先輩と猛さんが吹き出した。



「……なんか文句あんのか。」

『でもさ、俊に蝶々は似合わねぇよ。』



お前狼だよ狼。

敢えて和柄にこだわるなら龍かな。



「蝶々……?ユウ、ちょっとそれ見せて。」


「オイ、勝手に触んな獅子緒。」


『何。俊のケチ。』


「チッ……勝手にしろ。」


そう呻いて、ソファの背もたれに寄り掛かって不機嫌そうに息を吐き出す。



大概我が儘だよね君。



いわゆる俺様。




「ねぇ〜え……カイチョ?……これ、ラピスラズリだよねぇ?」

『へぇ。その石そーゆー名前なんだ。』


初めて知ったよ。

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