極楽蝶華
3
「悠紀仁。くっつきすぎ。」
『に゙ゃ。』
ぐい、と勢いよく剥がされて、奈緒先輩の腕の中に引き寄せられる。
抱きしめられたまま、ソファに腰を降ろした。
「でねー。
去年の12月に見付けたのに、ずーっと……怖くて声かけらんなかったんだって。」
『うわ、可愛い。』
「だよね。俊のくせに。」
『俊サン、そのへん如何デスカね。』
「……うるせぇ。」
「会長、本命には奥手ですね。」
「テメェーだってそうだろ春日。最近全然話聞かねぇぜ?獅子緒だって大人しくなりやがって。」
ぎ、と音を立てて睨み合う3人。
『で……俊君。その相手とはどうなったの?』
何と無く面白い話が聞けそうで、好奇心を出してみる。
「最近、……友達んなって、一緒に遊んだり……飯食ったりするようになった。」
『え……て事はこの学園の人?』
「あぁ。」
ぅをやっぱ面白いことになった!!
『誰?相手男だろ?』
「……聞いてどうする訳?」
『いや、どんな人か気になるから。』
「ヤキモチ?」
『いや何に対してだよそれ。』
何処に妬くのよ。
「なら……名前は、言えない。」
『あそ。ならいいや。』
つまんねぇーの。
「ちなみになァ……
奈緒も、猛も……春日も獅子緒もそいつに惚れてんの。」
『ぅをマジで?!ますます知りてぇ!!』
ホントに誰だよ!!
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