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極楽蝶華
思い出した
 


初日から、有り難くない出会いが2つも……


はぁ。


あらかた片付いて時計を見るともう5時近い。
あーそっか授業終わったから同室の奴帰ってきたんだーとか思いつつ

嫌な事を思い出した。


……あぁ!!呼び出しっ……!!

気付くやいなや部屋を飛び出した……が。来るとき散々迷ったこの広い敷地内。

思った通り時間食いまくって管理棟に着いたときにはとっくに5時を回ってしまっていた。


琉崎のマジ切れ顔を思い出して背中が真面目に寒くなった。恐。


どうしよう。いざとなったら
「どんくさそうな外見だから」
と油断してる琉崎に2、3発蹴りかまして脱兎の如く理事長室に逃げようか。 悠貴さんがまだいることを願って。

エレベーターに乗って……あれ。ボタン点かない。故障か??

しょうがないたかだか6階だ。階段で……と思ったらドアも開かない。

緊急通話ボタンは?!
ボタン・・・・・

押しながら「誰かいませんかー」とか言ってみるが応答は無い。


……

……


ふてくされて地べたに座り込んで大分時間が経った。
ケータイのテトリスもやり飽きてしばらく、若干うとうとし始めた頃。

いつの間にかエレベーターのドアが開いていて、誰かが扉の前に立っていた。

乗ってきたのはサラサラの栗色の髪した眼鏡かけた超美人。



うぉぉぉぉぉッ!!ラッキー!!



ラッキ……あれ、制服着てら。男かよこの人。詐欺じゃね??


しっかし同じ眼鏡キャラでも俺とこの人で天地の差があるな。


「……どなたですか?」

あ、俺、もしかしなくてもこのままじゃ怪しい人??


『あ、ちょっとエレベーターが故障してしまったみたいで。閉じ込められてたんですが、復旧したみたいですね。』

立ち上がりながら事情を説明して誤解を解く作業に入った。
あ、くそ。身長負けてるわ俺。

故障して閉じ込められた。その説明に相手はかなり訝しげな顔をした。


「6階に何の用だったんですか?」



?……何で6階だって分かったんだろう……

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