極楽蝶華
2
『それとねー。琉崎に目ェ付けられててさぁー。余計に変装解くわけにいかなくてねー。』
魚を捌きながら愚痴をたらす。言える人なんていなかったからすっきりした。
「……なんで目ェ付けられてんだ?」
将治、それ俺が聞きたい。
『一回拳交えたことがあってさ。なんかその時の事根に持ってんじゃね?』
「……多分それ違うと思うよ。」
じゃあ何さ誠。
『……?。そう?ところで何の用だったの?』
一通り終わって手を洗ってシステムキッチンにもたれかかるように床に座る。
「んー。ゆきやん部屋で飯作って食うゆっとったから、一緒に食おー思て晩飯お持ち帰りにしよー、て。まだ色々話したかったし。」
『へー。テイクアウト出来るんだ。』
さすが金持ち校。サービスが違う。
「……そう言えば、唇と首、どうしたの?血が出てるけど。」
「あーそれ俺も気になっとったわ。どしたん?」
『……買い物の帰りに、野良犬に追い掛けられて……噛まれた。』
野良犬だアイツわ。
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