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極楽蝶華
逃げ出してぇ。
 




「ねぇ、悠紀仁……これ見てみる?」


ここで、無言で何やらパソコンに向かっていた久遠先輩が顔を上げた。


「何ですかそれ?」



くる、と自分の方に向けられたディスプレイを覗き込む悠紀仁。



あ……そうそう。今はこの話題から気を逸らして、忘れようよ悠紀仁。

そして続きは俺のいないところでやってくれ。
そしたら誰を叱ろうが誰を甘やかそうが誰の膝に乗ろうが俺は全く関知しないから。



「これ?獅子緒の素行履歴だよ。」


Excelで見やすく一覧でまとめないでくださいぃぃぃぃ!!!

この人火に油注ぎやがった……!!



ニッコリと爽やかに微笑む副会長。



怖いよ!!

かつて13歳だった俺が
『この人綺麗な顔してるなぁ……男なのに。』
トカ考えたことは謝りますから今すぐにその黒いもの仕舞ってくださぃぃぃッ!!




「なッ……
レオ、お前中学から停学通算12回ってどーゆー事だコラァッ!!」


「あ……と、その……」



「校内での暴力沙汰……へぇ。そう。25回ね。」

「いや、実際それより多いんだよね。
俺とか、俊とか……の分はカウントされて無いし。」



「レオォッ!!」

「うぁ……ごめんなさい。」



「……で、お前に病院送りにされた人が43人かぁ。へぇ〜。」


あれ何か増えてない?!



「あ、それ校医の手当てで事が済んだ奴らの分入ってないから。」


うぉ!!
火にガソリンぶっかけやがったあの人ォッ!!



油じゃ気が済みませんかぁ?!



うわ、何かガンガン燃えてる。

何って……獅子緒先輩と他の方々の間に。
火花。


…………怖ぇぇッ!!

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