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極楽蝶華

 


悠紀仁は、と言うと俺に向けた意識なんて何処吹く風、で壁に掛けられた抽象画を首を傾けていろんな角度から見て遊んでいる。

ホ……ホラホラ先輩今悠紀仁が可愛いですよ!!



心臓鷲掴みにされるみたいのこの感覚。
冷や汗じっとり。



「あ……そーだ。
新規メンバーと言えば……」


ふと何かを思い出したように言葉を漏らし始めた俊。

その話題転換に周りの視線が自分から外れるのを感じて心底ほっとする彰。


「獅子緒。テメェ生徒会役員昇格決定。」

「……あ?」


吐き捨てる様に言う俊、それに対して圭介が額に青筋浮かべて挑発的に聞き返した。


「聞こえなかったのかよ。
テメェ、生徒会入り決定な。」

「……やだね。」

「はぁ?……フザケんな。
大体お前今まで役員じゃなかったのが不自然だったんだよ。
手ぇ足りないんだから迷惑かけた罪滅ぼしに学園の仕事やれよ。」

「え?レオ何かしたの?」


「迷惑」、という言葉に反応して少し表情を固くして振り向く悠紀仁。


「おーおーおー。
したよ?した。停学、自宅謹慎、暴力沙汰、相手の入院……イチイチ書類から調書からなんやかんや俺達の仕事だったからねぇ……?」


嘘をつけ嘘を。


圭介の処分に関する書類を作成してたのはいつも隆也か健一だし、それに貴様の代わりに筆跡を偽造、サインをして捺印を押したのは奈緒ではないか。

その時全てお前はその辺でそこら辺の子を押し倒していただろう。
実際処分に関する書類、事件の調書、の後するべき仕事が浮かばなかったじゃないかお前。



やってないからだよ。



ちなみに、この後周りが被った被害には
職員会議への提出、職員用の閲覧資料の作成、表沙汰にしたくないときには病院側との話し合いもあったり、各HR階の掲示板に貼る処分通達の開示作成、その人員確保、命令、解除の際の圭介側への連絡、等である。


が、ここはいつも悠紀仁にベタベタ出来るポジションの圭介にペナルティを加えるべく敢えて俊に対しあえて誰も反論を口にしなかった。


「うぇ?!
何お前そんな馬鹿やってたの?!」


大きな声を出して目を見開く悠紀仁

怒られる予感に身を竦める圭介

その様子に楽しそうな他の方達




自分の目の前で

また

展開されるひと波乱に嫌な予感しかしなくて心なしか胃が痛くなって来た彰。

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あきゅろす。
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