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極楽蝶華
そんなんじゃねぇよバカ!!
 




ばしん

頭に、軽い衝撃。


「そんなんじゃねぇよばぁか!!」


無理矢理ぐぎ、と顔を持ち上げられてまた軽く叩かれる。


『……え?』

「人いたの!!こっち見てたの!!」


指を刺す先には、既に人の消えたらしい廊下。

角を曲がったすぐ先から走り去る足音が聞こえる。


「場所考えろバカ猫!!」

『いだッ!』


ぺちん、と額を平手で打たれて呆然とした。


「……ふざけんな……クソ、」


ユウも床に座り込み、足を抱えてその間に顔を埋めた。


『……俺の事、嫌いじゃないの?』

「はぁ?いつ言ったんだよんな事……ったく。離れろっつってんのに……」


せきを切った様に涙がボロボロ出て来た。
漸く顔を上げて俺を見たユウが、慌てた様に俺の顔を拭う。


「あぁ……もう、何で泣いてんのお前。」

『だっ……て、だってユウが俺の事……き、嫌いになったんじゃないかって……』


ぶり返した鳴咽でまた、言葉が上手く出てこない。


「ッたく、嫌いになんねぇ、って何回言ったら気が済むんだテメェは。」

『だっ……て、……』


ふぅっ、と鳴咽を堪えて鼻から息が抜ける。


「大丈夫だよ。バカ。
……嫌いになんねぇから。」

『……ッン、うんッ、……
……嫌いに、なっちゃ、ヤダ……』

「なんねぇよ。」


俺の頭を抱えるみたいに抱きしめてくれたユウにしがみついて、俺はやっと心臓を走る激痛から開放された。

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