極楽蝶華
危機感も自覚も無い
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『ねぇ、ユウ。彰って誰。』
「俺の友達のね、バスケ部の奴。
格ゲーちょー強ぇの。レオも今日見れるよ。」
『……ふぅん。』
けらけら、と笑いながら満腹に上機嫌の悠紀仁。
その物言いに安心したらしく、漸く視線を悠紀仁から進行方向へと移した圭介がいきなり興味なさそうに呟いた。
「そーいやさ、レオは何かスポーツとかやってねぇの?」
『なんで?』
「だって、お前くらい背ぇ高けりゃ有利じゃん。
筋肉だってちゃんと付いてるし。」
ぺたぺた腹筋や胸筋辺りを触るユウ。
無邪気な顔で。
……もうちょっと警戒心とか……
まぁ、俺と二人っきりのときは無くて大歓迎だけど。
『スポーツはやったこと無い。喧嘩くらいかな。』
「はは。レオらしい。」
まぁ個人的に筋トレはしてるけど。
「教室つーいた。
レオちょっと待って着替えるから。」
『うん分かっ……え?』
ごく普通に、……そう。ごく普通に制服を脱ぎ出す。
部屋から出ようとしてた俺は普通に面食らって固まった。
「体操着……あれ〜?短パンが無……あ、そーだそーだ洗濯して……」
一人でブツブツ言いながら自分のロッカーを漁る、細い身体。
身を屈める項に銀髪がかかっている。
「しゃーねーや長ジャーたくって履こ。」
まぁ、鎖骨とか、腰とか、……乳首とかに目が行くのは自然の摂理だ。
「レオ、これ持ってて。」
『あ……うん。』
足から抜き取ったズボンとさっき脱いだワイシャツが胸に飛び込んで来た。
かちゃり、とベルトの金具が揺れて音を立てる。
理性を保つのに精一杯。
ユウはと言うと……端から見たらぼーっとしてる様に見える俺の前で、上を着ないままジャージの裾を巻き上げていた。
今日はご褒美貰ったけど……まだ、いけそう。
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