極楽蝶華 バスケ □■□■□■□■□■□■ 「あー食った食った」 俺らの軽く3倍は頼んどいて食べ終わるのはほぼ同時(若干悠紀仁が早い)なのは、やはりどこか超常現象的な物を感じる。 ……まったく、あの細い身体の何処に入るんだか。 「ごちそーさまデシタ!!」 ぱし、と両手を合わせてお辞儀。 ……可愛いなオイ。 『もう帰るか?』 「うん。……あ、ありがとうございました。」 周りに軽く会釈をして鞄を拾い上げる。 こんな奴らにも礼儀を忘れない悠紀仁はエライと思うよ。 「……帰るの?」 「うん。友達と約束してるし。」 心持ち不機嫌そうな会長。 「ユウ、俺も一緒にいていい?」 「あぁ、平気だよ。みんなでゲームするだけだから。」 チッ…… 悠紀仁が駄目だ、っつー訳ねぇのに……クソ。 分かってて聞きやがる。 均衡状態の部屋の中に響き渡る電子音。 笑点のテーマ。 着うたバージョンらしく、途中に【パフ】だの【パヒョ】だの入って来ている。 ……まぁ、こんなの設定するのは……コイツしかいない訳で…… 「はぁーいもしもしー」 少し間延びした声で電話に出る俺のオヒメ様。 「あれ?彰?どったの?」 「……今?生徒会室だよ。うん。……うん。別に暇だけど。部屋でゲームしようと思ってたし。」 「え?それってどういう……オイ、待てあき……」 そこまでひとしきり喋って、通話が切れたらしいケータイを片手に眉を寄せる。 『……どーした。』 「なんか……彰が、【体操着に着替えて館履き持って第2体育館来い】って……。 なんか先輩が俺のバスケ見てみたいんだってさ。」 『お前は行くの?』 「うん。まぁ楽しそうだし。不動も来るだろ?」 も、……て事は横の巨大なにゃんこは既に行く気満々らしーデスネ。 電話聞き耳立ててて、通話終了と同時に何やら話し掛けてたし。 (わざわざ耳元で) 『いや……俺、サボり気味で周り煩いだろうからパス。』 一人テンションが高すぎて苦手な人が。 バスケに対する情熱がウザ過ぎて、何とか俺を毎日部活に来させようと奮闘している……友人が。 教室にいるときは言ってこなくなったが、これで俺が部活に顔を出したらまたその熱が再発するに違いない。 [*前へ][次へ#] [戻る] |