極楽蝶華
バスケ
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「あー食った食った」
俺らの軽く3倍は頼んどいて食べ終わるのはほぼ同時(若干悠紀仁が早い)なのは、やはりどこか超常現象的な物を感じる。
……まったく、あの細い身体の何処に入るんだか。
「ごちそーさまデシタ!!」
ぱし、と両手を合わせてお辞儀。
……可愛いなオイ。
『もう帰るか?』
「うん。……あ、ありがとうございました。」
周りに軽く会釈をして鞄を拾い上げる。
こんな奴らにも礼儀を忘れない悠紀仁はエライと思うよ。
「……帰るの?」
「うん。友達と約束してるし。」
心持ち不機嫌そうな会長。
「ユウ、俺も一緒にいていい?」
「あぁ、平気だよ。みんなでゲームするだけだから。」
チッ……
悠紀仁が駄目だ、っつー訳ねぇのに……クソ。
分かってて聞きやがる。
均衡状態の部屋の中に響き渡る電子音。
笑点のテーマ。
着うたバージョンらしく、途中に【パフ】だの【パヒョ】だの入って来ている。
……まぁ、こんなの設定するのは……コイツしかいない訳で……
「はぁーいもしもしー」
少し間延びした声で電話に出る俺のオヒメ様。
「あれ?彰?どったの?」
「……今?生徒会室だよ。うん。……うん。別に暇だけど。部屋でゲームしようと思ってたし。」
「え?それってどういう……オイ、待てあき……」
そこまでひとしきり喋って、通話が切れたらしいケータイを片手に眉を寄せる。
『……どーした。』
「なんか……彰が、【体操着に着替えて館履き持って第2体育館来い】って……。
なんか先輩が俺のバスケ見てみたいんだってさ。」
『お前は行くの?』
「うん。まぁ楽しそうだし。不動も来るだろ?」
も、……て事は横の巨大なにゃんこは既に行く気満々らしーデスネ。
電話聞き耳立ててて、通話終了と同時に何やら話し掛けてたし。
(わざわざ耳元で)
『いや……俺、サボり気味で周り煩いだろうからパス。』
一人テンションが高すぎて苦手な人が。
バスケに対する情熱がウザ過ぎて、何とか俺を毎日部活に来させようと奮闘している……友人が。
教室にいるときは言ってこなくなったが、これで俺が部活に顔を出したらまたその熱が再発するに違いない。
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