極楽蝶華
て め え ら
「しょーがねぇーだろ惚れてんだから。」
「もーデレッデレ。俺ら。」
アハハ、と頬を緩ませてる双子。
「ちなみにねぇ、僕も初恋なんだ。メロメロに惚れてるよ。」
『そーなんですか……。』
いらない情報をありがとうな変態王子。
「俺もね、その人しか見えない。スゲェ好きなんだ。」
「俺もこれが初めて。自分から惚れるの。」
こちらに詰め寄って来るペット2匹。
『……ふぅん。』
ノロケでも何でも良いから俺がいないとこでやってくらはい……;
こうさ、何か……壁殴りたくなるわ。幸せそうな顔しやがって。
もげろ。
『でもそんなヤツなら外に恋人とかいそうですよね。
そいつはフリーなんですか?今。』
聞いたかぎりの性格なら女にモテそうだが。
……あ、この中では男にもモテるのか。
と、ここでいきなり皆の動きが止まった。
「……恋人?」
『いや、だって顔良くて、そんな気持ちイイ性格して、一緒に居て幸せになれるような奴なんだろ?
ならもう恋人いそうじゃん。』
いてもオカシクなさそう。
なんたってコイツらが揃って惚れるくらいなんだし。
「……悠紀仁、いるの?」
『え。何で俺ですか?』
「いーから答えろっつの。いんのか?彼氏。」
『うを何でソコ相手男限定なんだよ。』
テメェ俺の事何だと思ってやがるコノヤロー!!
「悠紀仁。いいからちゃんと答えて。恋人いるの?いないの?」
肩を掴まれぐい、と向きを変えられ奈緒先輩と向き合う形になる。
少し辛そうな茶色いビー玉が二つ、俺を覗き込んで来た。
『……いない、です。』
「ホント?!」
いや何でアナタそんな嬉しそうな顔してんだよ!!
「待て。お前、今までにもいたことねぇ……のか?」
『か……悲しいけど年齢=で恋人いない歴ですよ!!
悪かったなぁ!!』
俊コンチクショー!!
自分はモテるからって!!
「なんだ……良かった。」
「ユウ、びっくりさせないでよ。」
「……心臓痛くなった。」
ほっとしたような顔をする3人。
……テメェら自分はモテるからって……ッ!!
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