極楽蝶華
だから危機感をPart.2
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『……悠紀仁!!』
遠目からでもすぐわかった。
あいつは人目を引くから。
人込み掻き分ければ、案の定。
「あー……不動、どしたん?そんな血相変えて……」
ッ……何でカツラ被ってねぇんだよ!!
大声で呼んでしまった名前を後悔した。
『……獅子緒先輩が一緒だっのか……。』
まぁとりあえず良かった。この人がいれば変な奴に絡まれたりはしてねぇだろ。
「うん。なぁ俺お腹減っちゃったから飯食い行こーぜ?」
『……ああ。』
急いで走って来たので息が切れていた。
本数は減らしたけど、やっぱ煙草やめようかな……。
「でな、奈緒先輩が生徒会室のルームサービス使っていいって。行こーぜー」
満面の笑みで……ホント嬉しそうなお姫様。
『え……て、は?』
「あそこさ、食堂とは作ってる人が違うんだってな?スゲェー美味いよね。」
……生徒会室、で?
あれか?
もしかしなくとも今ならもれなくあの3人が付いてくんのか?
『マジかよ……。』
正直落ち込むわー……
悠紀仁はと言うと、
「何頼もうかなぁー」
なんて、上機嫌。
……ま、さ。
可愛いから許しちまうけどさ。
いいや。寮帰って……彰達とのゲームが終わったら二人っきりだし。
気を取り直して、歩き出した。
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