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極楽蝶華
2
 

『で、いったいぜんたい何の用ですか。』

「用が無きゃ来ちゃいけないの?ただ僕は悠紀仁と一緒にご飯が食べたかっただけだよ……駄目?」

【何あいつ王子に名前で呼ばれて……】
【その綺麗な手でそんな物体触らないでください〜】
【そんな物体視界に入れないでください〜】

……俺は背中に寒気を感じた。

何で俺が加害者になってるんだろう。どうして俺のこの嫌そうな表情に気付いてくれないんだろう。


『とりあえず、離れてください。』

名残惜しそうにする奈緒先輩の手を無理矢理引き剥がして向こうに押しやる。

また陰口が飛んできた。


うるせぇー

「つれないなぁ悠紀仁は……」

当たり前の様に隣に座って注文を始めやがったこの人。

俺いーよいーよ食べましょーとか言ったっけ?

なんとなく親父と似た匂いを感じる……

言っても無駄だと思ったが一応言ってみた。

『先輩、こんな狭い場所じゃなくて二階席行けばいいじゃないですか。』

「悠紀仁が来てくれるならそれでいいよ?」

はい無視。

『つーか俺もう食べ終わったんで教室帰りますね。行こ、誠。』

反対隣に座っていた誠の腕を掴んで立ち上がった。
目で必死に訴えたお陰かアイコンタクトは成功して他の奴らも急いで席を立ち始めた。

「えー。まだ何も話してないよぉ?」

「あ、次……僕らのクラス移動授業なんですよ。早めに行かないと。」

灰斗ナイス!!

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あきゅろす。
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