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極楽蝶華
眼鏡の秘密
 

『……っ、何なんですか。ほんと。』


すごい速さで顔に伸びてきた手を……殆ど反射で払い落とした。

「……見た目に似合わず意外と機敏なんだな。正攻法じゃ駄目か。」


をぃをぃをぃ。ひとの眼鏡無理矢理取ろうとすんののどこが【正】攻法なんだょ

善悪の価値観がとてつもなく間違ってないか?

『別に、眼鏡やカツラの一つや二つどーでもいいじゃないですか。』






……あ……

墓穴
堀ッタ━(゚∀゚≡゚∀゚)━!!



目の前のホスト(担任)が嬉しそうに笑った。

「……髪の毛もか。確かに、悠貴は自毛で茶髪だったな。」

『……いやいやそんなことないですよ、ほら、職員室入り口右の机にいた……茶色い背広の人。明らかにヅラですよね。
 あの人にみんな触れないんだから、僕の眼鏡にもノータッチでお願いしたかったんですが……』




「そうはいかない……な。
俺は担任、お前は生徒…………俺には、教師として、生徒一人一人をしっかりと把握し、管理する義務がある。
 素顔がわからない……なぁーんて困るんだよ。」

……何正論吐いてんの?


てめぇ

100% 好 奇 心 だろ?
m9(^Д^)プギャー


嘘つきー。

「じゃぁさ、代わりに何か学園内の情報好きなときに教えてやるから。」

……それは美味しい。

敵地に放り込まれて、今の戦線状況を少しでも知りたい俺にとってはかなりありがたい。

『え、いいですよ。よろこんで。』

いくらなんでも、自毛なんだから多少目立つ色してるってぐらいは許してくれるだろう。

ってゆーか

このホストの方が目立つしvvv

俺の髪の毛注意できねぇーだろ。


「……何か、気になることでもあるのか?」

『あー、まぁ、ちょっとめんどくさごとに巻き込まれる様な臭いがしてまして。』

ホスト(担任)が訝しげな顔をした。
「まぁいいや。ほら取れよ」

眼鏡に手をかけると

「ヅラもな。」

……やっぱり誤魔化しきれませんでしたか。

辺りを見ると、人気はないし管理棟からもHR棟(教室があるとこ)からもだいぶ離れてるから……まぁ取っても平気だろ。

眼鏡を外し、ヅラを一気に取り去った。

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あきゅろす。
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