極楽蝶華
やっと、
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倒れ込んだ先に、人の気配がしてそちらを見た。
『……?!!』
探してたが……今の状態の俊に会うのは望んでいなかった。
……なんで、よりによって最中に……
「あ……れ、……初様、てことは……会長?!」
「し、失礼しました……」
今、嫌われてるかもしれないが知ってる人間に会えてとてつもなく安心したのに。
だが、足を掴まれて引きずり出され、間もなくドアが閉じられようとしている。
『くっ……ふぇえっ』
……助けて、助けて……
『……ふぅっ…〜〜っ!!』
恐怖に、身が震えた。
顎関節がギシギシ言う。
閉まる直前、ドアが勢いつけて横に飛んでいった。
見上げると、身を整えた俊が凄い形相で立っている。
「……コイツに何してんだテメェら……」
屈んだ俊に、抱き起こされて。
そのまま、大きな腕に抱き抱え上げられた。
「……何してた、って聞いてんだろーがぁっ!!」
―ダァンッ!!―
頭を掴まれた一人が、壁に後頭部を打ち込まれた。
「ひっ……ス、スイマセンでしたぁ!!」
「ななななんでもありません!!」
倒れている二人を抱えて、足早に去っていく4人。
俊は追い掛けるそぶりを見せて、悠紀仁に視線を落として舌打ちする。
やり切れない感情の代わりに、強く抱きしめた
俺は、久しぶりの知っている体温に安堵して俊の胸に顔を埋めて、身体に回る大きな腕に少し落ち着いた。
俊の顔を見て、途端に涙が溢れてくる。
感じた恐怖が今、一気に襲って来た。
「……大丈夫だ。大丈夫。」
でっかい手が頭を撫でて、後ろの金具に手をかけて丁寧に外してくれた。
『……っ、が、……ハァッ、ハァッ、ハァッ……』
口から外れたそれに、唾液が糸を引く。
床に音を立てて落ちたソレに、やっと、『終わったんだ』と言う実感が沸いて来た。
『……かった……』
「……何だ?」
『恐かったぁぁ〜〜っ!!』
声を上げて、俊に抱きついて、みっともないくらい大声で泣いた。
その間も俊は俺の事をずっと撫でててくれて
少し強めに、それでも優しく撫でる手はちょっと乱暴だけど気持ち良かった。
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