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極楽蝶華
したら殺す、って
 


……なんか、外が騒がしい。



俺の方はそれどころじゃなく、耳障りな喘ぎ声に萎えない様にするのでいっぱいいっぱいだった。



悠紀仁……悠紀仁、悠紀仁。

何で俺あんなあいつに優しく出来ねぇんだろう何で好きなのにあんな傷付けちまったんだろう。

泣かしたく、なかったのに。


泣かすなら自分の下で思い切り甘やかしながらきゅんきゅん言わせたかったのに。


……拒絶されといて大概自分もアレだよ。

だって諦められる様な緩い想いでも無かった事に出来るほど小さい物じゃ無い。

ふとすれば自分で自分に押し潰されそうな位おまえの事が好きなのに。




……悠紀仁はこんな自分から喜んで……俺に媚びるみてぇによがったりねだったりしねぇーだろーなぁ……






そう頭をよぎった瞬間、完全に萎えた。




『……も、無理。やっぱ駄目だわ。』



身体を起こして、未だ接合を繋げたままのういを持ち上げようとする。



「……やだ。」


『やだ、じゃねぇよ。
こっちの台詞だ。さっさと退け。』
睨み付けた瞬間、





あれだけ

『俺にして来たら殺す』


っつっておいたのに。





ういは俺にキスをしてきやがって。


……っおいコラふざけんなテメェ折角ここんところ悠紀仁と初キスかましたばっかで気分良かったのに。





頭の後ろに回った手がキツク締められて、無遠慮に唇を舐められた。




―ガラァッ―



殴り飛ばそうか、と結論に行き着いて右手を握ると突如扉が横に開いた。





下の方に倒れ込む


銀髪。




上と下で繋がったまま、ういの肩越しに悠紀仁と目が合った。



一瞬目を見開いて、急いで顔を背けられる


やめろ、違う、
……聞いてくれ




悠紀仁。


ほぼ無意識に、ういを突き飛ばしていた。

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