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極楽蝶華
大浴場。
 

おーさすが。
大浴場も二つあるわけね。俺的には広いほうがいいな。


……でもこれ学年で使う場所分かれてる、とか無いよなぁ……


上下関係厳しいチームの中が日常だとついそんな考えが浮かぶのだが。
チームで走るときも、先頭は俺(総長)で順々に数珠繋がりになって下のやつは一番後ろって決まってたし。
特攻隊?そんな昭和ヤンキーみたいな真似しませんよ俺たちは。ただの走り屋だから一般公道では交通ルール守るし。

あ、峠とかで勝負するときは別ね。
あれは上下止めてその間使ってやるから一般車巻き込む心配ないし。
まぁそれも十分イケナイ事だとは知っていますが。



―ガラァッ―

あ、ちょーど誰か出てきた。聞いてみよ。

『なぁ、ちょっといいか?』

こちらに気付くと両人とも目を見開き、次いで口をパクパクしながら目が泳ぎ出した。若干挙動不審だし。

何だ?まぁいいや。

『ここって学年で利用場所分かれてたりするのか?』


「「……」」


『おぃ』

……

イライラ。

『おぃっ』

近くに居たほうの半袖の端を引っ張って、強制的フリーズ解除。

「……っ、…え…?」


一気に顔が赤くなった。
風呂入った後だからかな。まぁそれはどーでもいい。

『学年で大浴場の使用場所決められてんのか?』

「い……ゃ……決まって……無い……けど」


なんだこいつ人のことジロジロ見やがって気分悪い。この髪がそんなに珍しいか?


『あっそ。じゃぁ、どっちが広い?』


相手の顔を覗き込むように見上げたら、一気に顔を逸らされた。

はぁ??ったくほんとこいつら態度わりぃな。


「……左側の方が……」

『サンキュ』


軽く礼を言って脱衣所に入った。

―ガラァッ―

あー、結構人がいるな。
開いてるロッカー……ロッカー……

てきとーに見つけて開いて荷物を突っ込んで中から必要な物だけ取り出した。
タオル、シャンプー、石鹸(ボディーソープ?何それwww笑)……



脱いでる途中に視線を感じたが。まぁでも慣れてる。

なんつっても俺の髪目立つしね。
ここが良家のお坊っちゃん校だからだろう。今日見かけた人の中でも染めてる人の方が稀だったし。

チームん中では染めてない奴の方が少なかったけどねーとか思ってると隣の奴がすごい興奮しながら電話かけてた。

「いやだから今すぐ第一浴場来いよ!!だからすごいのがいるんだって!!」


見渡すとこんな場所で電話かけてる奴が何人もいる。

……なんだ??こんなとこで大声で……マナーわりぃなコイツら。

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あきゅろす。
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