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極楽蝶華
こんな時に
 
 

寮に戻ろう、と足を進めた。


生徒会の誰かに言って9階に入れてもらい、部屋の前で待ってれば会えるだろう



「そこの一年生。」


『は??』



横を見ると世界史の野……野……?

うん。世界史の先生が立っていた。


背の高い、顔の良い眼鏡



言い寄ってる生徒も何人かいるらしいよ。



『何ですか、センセ。』

いいね、教師って。とりあえず苗字分からなくても呼べるから。


「世界史教官室にこれ持ってくの手伝ってくれないかな。」



ソイツが革靴でつつく足元には、山みたいな問題冊子。


俊を探しに寮に戻りたいのだが、根が真面目なので教師の言うことには逆らいずらい。


それに、
『受験科目じゃねぇーし。』
といつも授業中寝たり世界史の教科書に載ってる偉人の顔に落書きしたりして過ごしてるので、後ろめたい気持ちもある。





運ぶだけなら、と資料の山に手をかけた。



『……どこまでですか?』


「HR棟第三、4階。」




げぇー、遠いなぁー



なんて思いつつ軽く引き受けた自分をちょっぴり恨んでから、前を歩く背中の後ろを歩き出した。


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あきゅろす。
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