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極楽蝶華
女子高生かよ!!
 
 

『『ユウ』と『藤堂』は友達だ、って事にしといてくれ。』

「えぇっ?!……大胆すぎねぇ?」

『むしろばれにくいよ。下手に隠すよりもう一つ存在作っちゃった方がみんな気付かねぇって。』


徹底的に存在を隠す、正体不明のキャラクターにする、と提案した新聞部部長は口を開けて考え込んだ。


『あとさ、カツラと眼鏡つければ大体俺に見えんだろ。ダチに頼んでツーショットで写してくんねぇ?』

「解像度落とした荒め、小さめの写真なら顔付きまでわかんねぇからな……
それなら、なんとか周りもごまかせるかな……
いきなり現れた「ユウ」の方は何かの特待生ってことにして……」




ブツブツ話し始めた新聞部部長に、話がほぼまとまったことを確信して俺は切り上げにかかった。
探し物の最中だからね。

『じゃあさ、今日はもう無理だから次暇があるとき連絡入れるわ。アドおせーて?』

「え?いーの??」


『良いも何も。連絡取れねぇじゃねーか。俺用事あるんだからさっさとしろよ。』




予想外の収入に、顔を綻ばせる男。
が悠紀仁本人はその嬉しそうな顔の意味が分からず「何でいきなり喜んでんだコイツ」といった顔でいぶかしげに見つめる。



「そうだ。自己紹介まだだったよね。俺高橋弘(タカハシヒロ)って言うんだ。3-理C。」


『そ……俺は、っつか知ってるか。じゃあまたな高橋先輩。』

「あ、オイオイちょっと待てよ。」

『何?』

「藤堂の探してる人って、誰よ。教えて貰ってねぇんだけど?」

『あ、そうそう。俊見なかった?琉崎兄。』

「会長?……何で。」



『……喧嘩中、みたいな?
とりあえず一発殴りに行く。』

「へぇ……見てないけど。
何。痴話喧嘩?」


『だから付き合ってねぇんだって、何度言ったら分かってくれるんだよ。
お前ら新聞部、何でも色恋沙汰にしたがるとか女子高生かよ。』



呆れた様に鼻を掻いて、登録の終わった携帯電話を胸ポケットに入れた。

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