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極楽蝶華
捜索中にイヤン
 


大分前から歩き回っているが、俊は見つからない。


ケータイも反応無しだった。



『……もう寮帰っちまったんかなぁー……』





帰路に着こうとしたとき、後ろから呼び止められた。


「おい、藤堂。」


『あ、はい何ですか。』




振り向いたは良いが、そこに立ってたのは知らない人だった。

ワックスで立たせた茶髪。


ネクタイは、青。三年か。


『……何か用ですかね。
俺人探してるんでなるべく早く済ましてくれませんか。』



「誰探してるの?」


『言う義務ありますかね?』




相手が小さくフン、と鼻を鳴らす。

「……まぁいいや。ついて来てよ。」


『言いましたよね。俺人探してるんてリンチもいちゃもんも違う日にしてくれませんか。』



「そんな事言って良いのかな、藤堂君。」


『別に困りません。』


「だから、藤堂君。人の言うことは聞いた方がいいよ?」



『だからな……』






頭に手をやる。顔にも。
 

イヤン。




『……何のことですか。俺は藤堂なんて知りませんが。』


「往生際悪いなあ。素直に認めないとバラスよ?」


『……証拠あんのかよ。』


「やれやれ……顔は人形みたいに綺麗なクセに。口は悪いんだな。」



『テメェーの関知する処じゃねぇだろ。つーか眼科行け。そして見てもらえ。』


不動もコイツも目ぇ腐ってんじゃねーの?



「……ホントに口悪いなぁ……まぁ、その辺可愛いけど。」


『可愛くねぇよ。頭から飛んだネジなら探すの手伝ってやるからさっさと結論を言え。』





「藤堂君さぁ……バラされたくなかったら俺のお願い聞いてくれないかな?」


交換条件で出されるお願いなんてたかが知れてる。



『証拠は?』


「……思ったより頭いいね。」


馬鹿扱いかよコラ。

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あきゅろす。
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